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深浦
【ふかうら】


旧国名:肥前

杵島(きしま)山東南端山麓から南部の塩田(しおた)川に至る平坦地に位置する。地名は往古塩田川下流が山麓近くまで入江をなし,深く入り込んだ浦であったことによると伝える。舌状低丘には古墳群が多数分布。低丘先端海童神社境内と神社西側に竜王崎古墳群,その南向かいの丘陵に竜王崎南古墳群,竜王峠付近に竜王峠古墳群,笹山に深浦西分古墳群,塩田川流域長浜の丘陵中腹に長浜古墳群などがあり,いずれも古墳後期のもの。竜王崎古墳群は昭和42年6基を発掘調査し,横穴式石室を内部主体とする小円墳群。出土遺物には金銅製冠・金銅製耳環・勾玉・水晶玉・ガラス玉などの装身具,鉄斧・鉄刀・挂甲片・刀子・鉄鏃などの鉄器類,須恵器・土師器の土器類,金銅製鈴・金銅製刀装具・金製工芸品垂飾付耳飾などの副葬品が見られる。第6号墳は巨石墳で,袖石に家屋文様の線刻がある。これらの出土品から杵島山東南端の農耕社会文化だけではなく,有明海を舞台とする社会集団の上に築かれた文化をもうかがわせる(竜王崎古墳群)。
深浦村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
深浦(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7218473