両子山
【ふたごやま】

権現岳ともいう。多久(たく)市東多久町にある山。標高360m,三角点標高337.3m。「肥前国風土記」の小城(おぎ)郡に「烽(とぶひ)壱所」とあるが,その位置について当山をとる説が多い。山の周辺一帯は,縄文・弥生・古墳各時代の遺跡が多い。また,高度250mくらいの所まで,ミカンやビワの果樹園が開かれている。ビワは江戸期から栽培され(丹邱邑誌),明治34年ころから本格的に栽培された。これは納所(のうそ)ビワとして有名で,関東・関西方面へ出荷している。また,山体は底部の砂岩を除いて,ほとんど玄武岩類岩石よりなっているため,北西部中腹には採石場がある。東麓東多久町納所字平林には,天徳元年勧請されたという湯峰山熊野権現と長徳元年勧請されたという両子山王権現とが合祀された両子神社(権現さん)がある(丹邱邑誌)。山頂には上宮の両子大権現(文化4年)の石祠があり,別称権現岳はこれに由来する。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7218535 |





