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法勝寺
【ほっしょうじ】


佐賀市嘉瀬町荻野(かせまちおぎの)字嘉瀬津にある寺。臨済宗南禅寺派。石宝山と号す。本尊は伝教大師作とされる地蔵菩薩。寺伝によると当寺は京都法勝寺執行権僧都俊寛の開山で,源頼朝の開基と言われる。俊寛は治承元年,鹿ケ谷の謀議に荷担したため鬼界島に流罪となったが,肥前嘉瀬津が平教盛の所領であったことからひそかにこの地に戻り,治承4年3月23日ここで没したと伝えられている。現在,「治承四年三月二十三日 俊寛僧都塔」と刻まれた僧都の墓と伝える墓石が境内にある(佐賀郡誌)。文治2年6月1日付源頼朝下文では武士の乱妨停止と寺領を安堵している(鎌遺109)。また近世期の慶安3年5月23日付鍋島勝茂判物では,安元2年8月22日付の嘉瀬津に関する平教盛書出を法勝寺に遣し置くこと,これに関して敷地1反3畝20歩,この米2石1斗8升余が裁許されたとある(法勝寺文書/佐史集成21)。康永元年3月に付近の火災に類焼して諸堂が焼亡したと伝える(県災異誌)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7218620