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本川原遺跡
【ほんがわらいせき】


鳥栖(とす)市永吉町本川原から本川にまたがる遺跡。杓子ケ峰(312m)から派生した柚比・萩野の丘陵は本川原付近で南へと大きく曲がり曽根崎へと至っている。本川原遺跡のある段丘は標高20~30mで,国道3号・34号の分岐点となっている。昭和48年の第1次調査では台地東南端で住居址5棟,方形周溝墓2基,土壙等が確認された。第2次調査区の台地中心部からは住居址5棟,貯蔵穴,土壙等が,また第3次調査区の台地北端では縄文時代晩期(黒川式期)の袋状貯蔵穴2基,7世紀代の住居址3棟,歴史時代の溝,柱穴群が検出された。第2次調査の6号住居址出土土器は明らかに土師器と思われる器形や成形技法を欠くもので,弥生終末期(本川原Ⅰ期)に比定される。第1次調査の5号住居址からは庄内式系統の甕(本川原Ⅱ期)が出土し,1号方形周溝墓からは庄内式相当の二重口縁壺と布留式相当の甕(本川原Ⅲ期)が出土している。弥生終末期の土器の様相と古墳時代前期における畿内系土器の存在が明らかにされた意義は大きい。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7218626