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妙音寺
【みょうおんじ】


東松浦郡相知(おうち)町大字相知にある寺。曹洞宗。端松山と号す。本尊は聖観世音菩薩。「肥前国鏡宮古文書」(巻子本1巻)によれば,当寺は南北朝期の延文5年に寂した湛然和尚が,在地領主相知孫四郎蓮喜の援助を受けて創建した。南北朝期には寺領の安堵,寺内の乱妨停止等の書状(同文書)から寺基が整備されたことをうかがわせるが,戦国期を迎えて一時荒廃した。享禄2年,武雄円応寺2世であった勝山和尚が入寺,復興に着手し岸岳城主波多壱岐守源盛が大檀那として再興。勝山を以て当寺の中興開山とする。豊臣秀吉の名護屋城築城の時,瓦を持ち去られ小寺となるが,近世期の寛政7年再建。天保3年火災により焼失したが,21世大円和尚により本堂を新築し現在に至る。境内に近隣の鵜殿岩屋(県指定史跡)より移した元亀4年との墨書のある薬師如来および脇侍十二神将像が安置されているほか,大正8年相知炭坑のボタで埋没に瀕した石造阿弥陀如来像がある。また前出の「肥前国鏡宮古文書」には,正平15年後村上天皇より当寺へ下した綸旨・南北朝期に筑後や肥前の領主からの田地寄進状および当寺住持歴代などをのせる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7218856