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妙覚寺
【みょうかくじ】


多久(たく)市南多久町下多久の桐野にある寺。天台宗。桐野山と号す。本尊は行基作と伝える聖観世音菩薩と慈覚大師作と伝える不動明王の2体。「丹邱邑誌」の宝暦3年7月「桐野山妙覚寺記」(臨済宗僧元皓大潮撰)に天平年中に行基開創の勅願所という。また「天明年中書出」には行基の後は衰微し,大同元年に再興され,子院120坊を有した。しかし天正年中までに3度類焼し,中興までの世代ならびに天台宗改宗の年時も不詳とある。中興開山憲海は堂宇を修復し,天正6年示寂。2世澄海の時また回禄。寛永年中に再建されたが,文化7年正月にも土蔵1軒を残して焼失し弘化4年にようやく造営された。境内山林は5町。寺領は桐野村内に125石。寺宝の金剛胎蔵両界曼荼羅は弘法大師作と伝え,本尊の正観世音は行基作という(肥前古跡縁起)。また境内に天正7・10年銘の六地蔵,寛文5年銘の石灯籠,寛文12年および享保18年銘の石造五重塔,正徳3年染山禅師建立の33体の観世音石像などがある。現在の堂宇は昭和8年の再建。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7218857