100辞書・辞典一括検索

JLogos

8

山本
【やまもと】


旧国名:肥前

松浦川下流左岸に位置し,沿岸の平坦地と岸岳山北山裾の丘陵地からなる。北部で松浦川とその支流徳須恵川が合流するが,両河川の氾濫による水害多発地。弥生時代の中尾遺跡のほか金屋・中尾・トウロに古墳時代の遺跡がある。地内三の坪は条里制の遺名といわれる。古代から中世まで松浦潟の西岸最奥部にあたり,明の「籌海国編」にある「馬子頼(まつら)」は地内船原の地といわれ,上松浦党の倭軍船基地の1つと考えられている。九州に下向した今川貞世は菊池氏らの叛に遭ったため,迂回して呼子沖へ上陸したが,松浦党は今川氏に従って地内金屋に陣をしいた(歴代鎮西志)。戦国末期,岸岳城の北の脇城として地内に青山城を築城,城主は青山(山本)采女。岸岳城主波多三河守没落時にともに落城する。青山氏の妹で波多氏の妻心月尼は,佐賀街道筋に1庵を建て,夢中飛入観音を祀った。のち慶長5年に相知の医王寺2代仁岳が曹洞宗日生山心月寺として開山。
山本村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
山本(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7219041