100辞書・辞典一括検索

JLogos

16

横町村
【よこまちむら】


旧国名:肥前

(近世)江戸期の村名。小城(おぎ)郡のうち。天山山地から佐賀平野に流れ出る祇園川扇状地上に位置する。佐賀本藩領。北郷に属す。「宝暦郷村帳」「天明郷村帳」に1村として見える。「大小配分石高帳」では宮崎徳一郎が地米高61石余を知行。祇園社領で63石である。当村の西北端に小城藩の山番所がある。祇園社は明治9年須賀神社と改称。祇園社は建武年間下総国から小城に下向してきた千葉大隅守胤貞が,京都の祇園社(八坂神社)から分霊したといわれる。なお祇園社の勧請以前には清社があったと伝えられる。祇園社の祭礼は1月15日の花柴祇園,6月15日の団扇祇園,8月15日の柿祇園がある。特に団扇祇園の時は山挽神事が行われ小城町(上・中・下町)を山鉾が上り下りする。この行事は元来は軍陣の稽古の意味があったといわれ,江戸時代は先山・跡山の2台,明治以降は上・中・下町各町1台の3台が挽かれたが当町の住民は山鉾を挽かず6月14日の晩に鉦浮立を奉納した。近世末期の人口は男114・女108(文久4年小城郡北郷宗門筈帳)。なお「小城郡村誌」によれば,明治2年・同5年の両度に松尾村・三間寺分・吉田村・北浦村・清水村の5か村(あるいは高原村を加えて6か村)と合併して松尾村となる。「明治7年取調帳」では高原ケ里の枝村として見え,「郷村区別帳」では松尾村の枝村として見える。「明治11年戸口帳」によれば,松尾村のうちに「横町村」と見え,戸数60・人口249。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7219107