印通寺港
【いんどうじこう】

壱岐(いき)島の南東部に位置する地方港湾。壱岐郡石田町に所属する。壱岐水道を隔てて，佐賀県呼子港に相対し，九州本土と最短距離にある。港口は南に向かって大きく開口するが，前方の妻ケ島が自然の防波堤をなし，静穏な泊地を形成している。平戸藩領当時から商港として利用され，壱岐郡の上納米はすべて本港から船積みされたといわれる。明治期に郷ノ浦港にその繁栄を奪われたが，昭和４年から呼子・唐津へ定期船の運航が始められ，同45年に本県の離島としては最初のカーフェリーが運航を始め，現在では壱岐島の重要な交通の拠点となっている。付近に壱岐空港や筒城浜・錦浜の優れた砂浜を持ち，民宿も多く，壱岐のレクリエーションの拠点でもある。建設資材等の貨物の取扱いも多く，周辺には好漁場もあり，漁業基地としての比重も高い。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7219578