小栗村
【おぐりむら】

(近代)明治22年~昭和15年の北高来(きたたかき)郡の自治体名。諫早(いさはや)湾(有明海)に注ぐ本明川支流の埋津川上・中流右岸に位置する。西部は大村湾に注ぐ東大川の上・中流域にあたる。栗面(くれも)・小川の2か村と江ノ浦村小ケ倉が合併して成立。旧村名を継承する栗面・小川の2大字と大字なしの地域からなる。栗面には栗面を冠称した土師野尾名・平山名・本村名,小川には小川を冠称した本村名・鷲崎名・川床名,大字なしの地域には小ケ倉名の行政区がある。村名は栗面・小川両村名から1字ずつをとって小栗とした。村役場は小川本村名に置かれた。明治24年の戸数498・人口2,610(男1,295・女1,315),寺院2,学校1,水車場2,小船2(徴発物件一覧表)。世帯数・人口は,大正9年521・2,606,昭和10年530・2,637。明治35年小栗尋常小学校創立,同42年高等科を設置。大正4年の「長崎県大観」によれば,戸数515・人口3,261,学校は小栗尋常高等小学校・土師ノ尾小学校があり,児童数は合わせて495(男247・女248),官公署には村役場,神社は熊野神社他6社,寺院には西林寺・観音寺があった。また特産物として米3,142石・麦2,144石・甘藷32万4,000貫が記される。同6年の産業別戸数は,農業500(専業408・兼業92)・養蚕業240(兼業のみ)・工業37(専業5・兼業32)・商業15(兼業のみ),反別は田258町8反余・畑257町3反余・山林555町2反余・原野270町8反,主な農産物の産額は米8万1,752円・麦3万3,105円・甘藷9,720円・大豆8,450円・粟8,100円(北高来郡誌)。昭和15年諫早市の一部となり,村制時の大字および行政区は同市に継承。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7219984 |