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勝本
【かつもと】


旧国名:壱岐

中世には風本(かざもと)とも称した。壱岐(いき)島の北部に位置し,北方海上に大瀬戸を挟んで辰の島・若宮島・名烏島などの小島が浮かぶ。地名の由来は,神功皇后伝説では勝利を得たとして勝本,順風を得たとして風本というと伝えられるが(壱岐国続風土記),勝本浦の名は可須浦本浦の複合語による可須本浦が転訛したもの,風本浦の名も同様に可須本浦が転訛したものと考えられている(壱岐国地名考)。天正19年豊臣秀吉の命をうけた松浦鎮信が築城した勝本城(武末城)跡(史跡,国答申)は,文禄・慶長の役の際の出城。聖母宮の天正20年銘の茶壺は県文化財,辰の島の海浜植物群落は国天然記念物。また若宮島・名烏島・丸山島・串山半島のハイビャクシン群落(イワダレネズ群落)も勝本のハイビャクシン群落として県天然記念物に指定されている。また勝本町が代表する壱岐神楽(重要無形民俗文化財,国答申)もある。
勝本浦(近世)】 江戸期~明治5年の浦名。
勝本町(近代)】 昭和10年~現在の壱岐郡の自治体名。
勝本浦(近代)】 年不詳~現在の行政区名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7220162