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北目筋
【きためすじ】


旧国名:肥前

(近世)江戸期の筋名。肥前国高来(たかき)郡のうち。島原藩の広域行政単位である3筋の1つ。松平忠房が島原藩主に就封した直後の寛文9年9月22日の法令に「分統内三十三村,為五管轄,毎管轄吏二人,裁判諸務」とあり,島原藩ははじめ島原半島内の領内33か村を島原筋・愛津筋・口之津筋・有馬筋・安徳筋の5筋に統括し,各筋に2名の代官を置いたが,宝永年間以後に北目筋・西目筋・南目筋の3筋に編成替えを行い,当筋が成立した。当筋に所属する村は,島原・杉谷・三会・三之沢・東空閑(ひがしこが)・大野・湯江・多比良(たいら)・土黒(ひじくろ)・西郷・伊古・伊福・三室・守山・山田・野井・愛津の17か村で,村高合計は1万5,612石余(島原様子書)。当地域は,雲仙岳よりの傾斜が最も緩やかな地形をなし,多数の火山性扇状地が形成され,有数の畑作地帯となっている。また,雲仙岳に源を発する河川は放射状に浸食谷をつくり,下流に沖積平野を形成して肥沃な水田地帯をなし,吾妻・愛野の干拓地とともに穀倉地帯となっている。そのため島原半島で最も農業生産額の割合の多い地域となっている。現在の島原市・有明町・国見町・瑞穂町・吾妻町・愛野町の各一部にあたる。なお,現在でも島原半島の島原湾岸を二分する際は,南目筋とともに当筋名が使われることもある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7220404