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黒子島
【くろこじま】


平戸瀬戸にある小島。平戸市に所属する。面積0.03km(^2),周囲約1km。平戸港の入口に位置する。島全体が亜熱帯性の原生林で覆われて,島全域が国天然記念物として昭和26年6月に指定を受け,さらに昭和30年には西海国立公園特別保護地区に指定されている。珍種や貴重な種類の植物はないが,ごくありふれた種類の生育の状態(原始性)が貴重なのである。黒子島には植生学的にみて,2つの群落が発達している。中央部に発達するタブノキ‐ムサシアブミ群集と周辺の海に面した急傾斜地のハマビワ‐オニヤブソテツ群集に二分される。他の主な樹木は,スダジイ・オガタマノキ・ハマビワ・アコウ・イヌマキ・ヤブニッケイ・ハマセンダン・ホルトノキで,樹下にはムサシアブミ・ノシラン・フウトウカズラ・オニヤブソテツなどの大型で常緑の草木も自生している。中には樹高18m,最大幹径が70cmを超すものもある。また平戸島側にある小さな祠は平戸(松浦)勝が小値賀(おぢか)から遷祀したものといわれている。島の北東海岸には文久3年に築かれた台場の跡が今なお残っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7220530