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華光寺
【けこうじ】


壱岐(いき)郡郷ノ浦町東触にある寺。曹洞宗。山号は如意山。本尊は釈迦牟尼仏。鎌倉末期,唐津・壱岐地方を支配し,永仁2年郷ノ浦に亀尾城を築いた波多宗無(法号,如意院)の室華渓妙春が,正安3年対馬への旅の途中,壱岐で病死した。亡母の菩提を弔うため宗無の子息天祐貴公が,唐津出身の覚叟大円を遣わして華渓院を建立,彼を開山とする。永正3年には波多三河守盛が,華渓院を如意山華光寺へ改めたと伝える。一説にには,元亀2年長門国大津郡大寧寺(山口県長門市)より,宗雲長褝を請じて開山したとも伝える。戦国期まで華光寺は,波多氏菩提寺とされ,江戸期は平戸藩主松浦氏の菩提寺で,壱岐における曹洞宗の本寺として,島内に65末寺を雍した(延享度曹洞宗寺院本末牒)。現在,華光寺には波多宗無室・波多阿波守室・波多盛・波多源五郎隆など波多氏一族の位牌や墓石・拝塔など数多くを保管・安置する。高山の波多宗無室の墓と伝える宝篋印塔は,「華渓」の2文字を台座に刻み,壱岐の宝篋印塔中最も古い形式をもち,室町期の造立と推定される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7220565