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江東寺
【こうとうじ】


島原市中堀町にある寺。曹洞宗。山号は清光山。本尊は釈迦牟尼仏。永禄元年,有馬氏の居城日野江城の麓,南高来郡北有馬町田平に神竜山江月寺として創建され,開山を有馬晴純の子息宣安明言とする。慶長19年,有馬氏の日向国延岡移封後,大和国五条より松倉重政が入封し,日野江城に替えて島原森岳城を築城。これに伴い江月寺も寛永2年島原今村へ移転し,入江の東側に所在することから江東寺と改号,松浦氏の菩提寺となる。寛政4年島原の眉山崩壊(島原大変)で伽藍・墓地・古記録などを流失・埋没。文政7年説外実言の代,現在地に再建。この時できた白土湖の湖底が旧墓地にあたる。境内には松倉重政の墓碑と,島原の乱征討で幕府軍の責任者として派遣され,原城外で一揆軍の銃弾に倒れ当寺で火葬にふした板倉重昌の墓碑がある。昭和32年松倉,板倉両人供養のため,墓碑の近くに全長8m,鉄骨セメント張りの涅槃像が作られた。寺宝として絹地で銀糸等の刺繍を加えた涅槃図があり,これは島原大変で損壊した寺の再建を祝って奉納されたもので,市文化財。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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