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国道
【こくどう】


 国道34号 佐賀県鳥栖(とす)市と長崎市を結ぶ国道。全長136.7km,県内道路延長59.9km。鳥栖市で国道3号と分かれ,佐賀市を経て佐賀平野を横断し,佐賀県武雄市で国道35号を分岐し,進路を南にとり,温泉町として知られた佐賀県嬉野(うれしの)町を経て本県に入る。県境の俵坂峠から彼杵川沿いに下った後,東彼杵(ひがしそのぎ)郡東彼杵町で佐世保方面からの国道205号を合わせ,大村湾岸沿いに国鉄大村線と並走しながら西下し,大村市を抜け,諫早(いさはや)市に入る。諫早市街地の南では,佐賀県鹿島市を経て有明海沿いに国鉄長崎本線と並走しつつ南下した国道207号と島原市から島原半島を横断し西進して来た国道57号と合流し,ここに本県で最も重要な交通の要所を形成している。諫早市を抜け,西彼杵郡多良見町で長崎市街地へ北から入る長崎バイパス(有料道路)を分岐し,長崎市東部から日見トンネルを抜け長崎市街地に入り,終点の県庁前(長崎市江戸町)に至る。コースは江戸期の長崎街道にほぼ沿っており,現在も県内外を結ぶ重要な国道となっている。改修工事は昭和6年より内務省によって長崎市から諫早市の間で始められ,完成後の昭和13年以降は諫早市以北から県境までの改修工事が進められた。第2次大戦後は建設省によって引き継がれ,昭和36年完了した。その後,モータリゼーションと長崎都市圏の拡大に伴う交通量の増加に対応するため,長崎~諫早間での拡幅工事が進められる一方,長崎バイパス,諫早北バイパス,そして日見バイパス,長崎外環状線などのバイパス網が計画・施工されている。 国道35号 佐賀県武雄市と佐世保市を結ぶ国道。全長35.7km,県内道路延長17.5km。武雄市を起点とし,国鉄佐世保線に沿って西進し,陶器の町佐賀県有田町・西有田町を経て,県境を越え本県に入り,佐世保市の陸の玄関ともいえる早岐町を通過し,同市八幡町(市役所前)に至る。明治20年海軍佐世保鎮守府開設に伴い,県工事として国・県・村が工事費を3等分して着手。佐賀県境まで開通したのが明治27年末であった。昭和9年より国営による改良工事に着手。終戦間際の同20年6月鎮守府表門から佐世保市日宇町西竜橋までの間が,幅員20mのコンクリート道路として貫通した。同35年には改良工事,翌36年には舗装工事が完了した。同40年に交通量の増加に対応するため,同市大塔~日宇間延長4.5kmの拡幅とバイパス工事(日宇バイパス)が完成し,同43年には国道202号と国道205号が交差・重複する早岐町付近の交通渋滞緩和のため早岐バイパス(延長1.5km)が完成した。市街地では同45年に国鉄佐世保駅~市役所間の拡幅と中央分離帯の設置などの整備が進められた。佐世保市を中心とした北松地域と県内・九州各地とを結ぶ主要道で交通量も多い。このため,佐世保市街地から建設中の九州横断自動車道を結ぶ一連のバイパス網(佐世保バイパス,早岐バイパス,佐世保・武雄道路)が計画され,一部施工されている。 国道57号 大分県大分市と長崎市を結ぶ国道。島原市川尻下から諫早(いさはや)市小船越町までの県内道路延長60.6km。九州中央部を横断する。大分県大野郡犬飼町で国道10号から分岐し,西進して阿蘇カルデラを抜け,熊本県の熊本市・宇土市を経由し,宇土半島の北岸に沿って,半島西端の宇土郡三角町に至る。ここからは海上ルートとなり島原半島東端の島原市に上陸。島原市からはさらに西進して雲仙岳を登り,雲仙温泉街を抜け,半島を横断し,西岸の南高来(みなみたかき)郡小浜町に下る。その後,進路を北にとり,同郡千々石(ちぢわ)町から半島の付け根の同郡愛野町~同郡森山町を経由し,諫早市で国道34号に合流し,長崎市に至る。島原市~小浜町間は山岳道路で交通の難所であったが,雲仙岳や雲仙温泉への観光道路でもあったため,昭和32年より日本道路公団により,雲仙温泉街の2.9kmを除く両区間で改修工事が進められ,同35年完成し,島原・雲仙道路(有料道路)となった。同39年5月より国の直轄管理区間となり,国道34号との接合部で交通の混雑する,諫早市小野町から小船越間(延長5.1km)のバイパス工事が,昭和45年開催の長崎国体に合わせて進められた。同48年4月には,有料道路区間であった島原~小浜間も,償還され無料となった。海上ルートを含んで雲仙天草国立公園を貫き,島原半島を横断して島原・雲仙・小浜の温泉地や雲仙山頂観光道路(仁田峠循環有料道路)を連ねる,県内屈指の観光道路でもある。 国道202号 福岡市と長崎市を結ぶ国道。全長238.2km,県内道路延長115.2km(重用部分9.7km)。福岡市西区姪の浜を起点とし,二丈町―浜玉町―唐津市を通り,陶磁器で知られている伊万里市・西有田町を国鉄松浦線に沿って並走,本県の起点佐世保市木原町を経て西海橋を渡り,西彼杵(にしそのぎ)半島の西彼杵郡西彼(せいひ)町―西海町―大瀬戸町―外海(そとめ)町を通り,終点の長崎市江戸町に至る。一般国道約1.3kmは国管理であり,道路整備状況は100%である。また,残りの一般国道113.9kmは大瀬戸町の各土木事務所および佐世保振興局土木部が管理する。道路整備状況は74.7%である。浅戸長崎線(大正9年4月1日),畝刈長崎線(昭和3年4月13日)が同29年1月20日に主要地方道長崎瀬戸線となり,同39年12月28日に大瀬戸西海西彼線,さらに同44年12月4日一般国道202号に昇格。昭和58年度の交通量調査の結果,佐世保市針尾東町の12時間乗用車換算交通量は1万2,373台。 国道204号 佐賀県唐津市と佐世保市を結ぶ国道。全長156km,県内道路延長65.2km。唐津市から東松浦半島を周回して伊万里市を抜け本県に入る。本県側では,ほぼ国鉄松浦線と並走しながら松浦市―北松浦郡田平町―江迎町―吉井町―佐々町を経て佐世保市市役所前に至る。平均幅員7.5m。昭和20年県道佐世保平戸線と平戸唐津線とが合わさり国道となる。佐世保市北部での交通渋滞緩和のため昭和45年度より吉岡・本山バイパス(市内大野町~本山町間5.8km)の工事が進められている。また,松浦市街地でのラッシュを避けるため,昭和58年度より松浦バイパス(2.2km)の工事も進められている。 国道205号 佐世保市と東彼杵(ひがしそのぎ)郡東彼杵町を結ぶ国道。全長21.7km。佐世保市早岐町を起点とし,早岐瀬戸・大村湾岸に沿って南下し,東彼杵郡川棚町を経由し,東彼杵町に至る。昭和28年国道に昇格。同40年より国の直轄管理区間となる。起点で国道35号と,終点で国道34号に接し,これらの国道と一体となって県北と県南とを結ぶ重要な中継路となっている。国道35号や国道202号との接合部での交通渋滞緩和のため,バイパス工事(針尾バイパス)が進められている。 国道206号 長崎市と佐世保市を結ぶ国道。全長44.3km。国鉄長崎駅北方の同市宝町で国道202号と分かれ,北部市街地を抜けて北上し,西彼杵(にしそのぎ)郡時津町で大村湾に出て,湾岸沿いに西彼杵半島東部を北上し,半島北端の同郡西彼(せいひ)町小迎で半島西岸を北上して来た国道202号と再び合流する。合流後は,すぐに針尾瀬戸をまたぐ西海橋を渡り,針尾島(佐世保市)を抜けて,国道35号と合流し,佐世保市街地に至る。長崎市と県北の佐世保市を結ぶ道路としては,大村湾岸西回りの国道202号・国道206号経由と東回りの国道34号・国道205号経由とがあるが,西回りコースは距離的にも,時間的にも短く,さらに西海橋のような観光地も含むため,県内交通だけでなく県外からの観光道路としての利用も多い。全線で車幅7.0m以上となっているが,東回りに比べ狭隘な低地や丘陵地を通過するため全般に屈曲が多い。長崎市街地から郊外の時津町にかけては,朝夕のラッシュ時の交通渋滞が著しいため,拡幅工事が順次進められている。 国道207号 佐賀県佐賀市と西彼杵(にしそのぎ)郡時津町を結ぶ国道。県内道路延長51.4km。佐賀市川原町を起点とし,佐賀県の牛津町・江北町・有明町・鹿島市・太良町と有明海に面した海岸線を国鉄長崎本線に沿って並走し,本県に入る。北高来(きたたかき)郡の小長井町・高来町を経て諫早(いさはや)市へ至る。付近には多良岳県立公園があり,シャクナゲの群生する山地と轟の渓谷がある。諫早市から国鉄と並走し,西彼杵郡多良見町を経て大村湾に面した海岸線を走り,同郡長与町堂崎を通り時津町浦郷に至る。時津町からは国道206号と合流する。県管轄で長崎・諫早土木事務所の担当区である。県内の道路整備状況は99.6%であり,重用部分は国道34号と国道57号である。諫早鹿島線(大正9年4月1日)が2級国道佐賀諫早線(昭和28年5月18日)となり,同40年3月29日に一般国道207号に昇格。さらに昭和56年4月30日,諫早市から多良見町を経て時津町まで延長となる。昭和58年度の交通量調査の結果,諫早市天満町の12時間乗用車換算交通量は1万3,553台,1時間に1,511台が通っている。 国道251号 長崎市と諫早(いさはや)市を結ぶ国道。全長108.1km。長崎市江戸町を起点とし馬町(諏訪神社前)を通り,蛍茶屋―本河内―日見峠―網場―矢上へ至る。長崎市の東に連なる日見嶺を越え,長崎から諫早に通じる。街道の起点が市電の東終点蛍茶屋で,古くはホタルの名勝地であり,中島川の上流本河内の渓流には水源地の堤防が谷を防いでいる。一ノ瀬橋を出て旧街道は,国道を横切って彦山麓につながる。国道の真下には網場の水族館,東側には矢上(東長崎)の宿場町がある。矢上の交差点から北高来(きたたかき)郡飯盛町―諫早市有喜町―南高来郡の愛野町―千々石町を経て,小浜町の温泉街を通り島原半島を一周し島原市川尻下で国道57号を分岐,有明町―国見町―吾妻町―愛野町を経て森山町を通り,終点の諫早市小船越に至る。重用部分は国道34号の長崎市江戸町から矢上町までの11.5kmと国道57号の愛野展望所および愛野町から諫早市までの17kmである。道路整備状況は99.8%である。道路の管理は長崎・諫早の各土木事務所と島原市の振興局土木部がそれぞれ担当する。長崎島原線,口之津長崎線(大正9年4月1日),口之津島原線がそれぞれ主要地方道長崎小浜線,諫早多以良島原線,島原口ノ津小浜線として昭和29年1月20日に指定となり,同30年7月10日に2級国道長崎口ノ津諫早線となり,さらに同40年3月29日一般国道251号に昇格。昭和58年度交通量調査の結果,島原市弁天町の12時間乗用車換算交通量は1万4,687台,1時間に1,309台である。島原港から三角島原国道フェリーと,天草パールラインフェリーに通じている。 国道324号 長崎市と熊本県三角町を結ぶ国道。全長120.6km,県内道路延長25.5km。起点は長崎市江戸町を起点とし,中島川に架かる中央橋を渡り,長崎市の観光地で名高い思案橋を通り正覚寺を経て,田上経由で茂木港に至る。この江戸町から茂木港に至る区間は,国道324号と重用部分である。この路線の周辺は長崎市の史跡(中島川の石橋群,唐人屋敷,崇福寺など)があり観光地としてにぎわう。昭和57年7月23日の大雨によって中島川が氾濫し石橋群が破壊され,人家および商店街に多大な被害をもたらしたが,現在は復旧され元の姿になっているものが多い。長崎市茂木町から長崎天草フェリーで熊本県苓北町の富岡港に渡る。富岡港から鬼池,本渡市を経て,キリシタン軍上陸地を通り松島町に至る。松島町の五橋を渡り大矢野町を経て国鉄三角線と並走し三角町に至る。松島町から終点の宇土郡三角町までは国道266号の重用となる。三角町からは国道57号に合流する。県管轄で長崎市土木事務所の担当区域である。茂木長崎線が昭和29年1月20日に主要地方道長崎茂木線となり,同44年12月4日に一般国道324号に昇格。道路整備状況は100%である。昭和58年度の交通量調査の結果,長崎市上小島町の12時間乗用車換算交通量は1万4,833台,1時間に1,330台が通っている。主要道路であるため交通が混雑する。 国道382号 上県(かみあがた)郡上対馬町と佐賀県唐津市を結ぶ国道。県内道路延長111.093km。対馬北部の比田勝港を起点とし,上県町―峰町―豊玉町―美津島町―厳原(いずはら)町と対馬を南北に縦断し,厳原港からフェリーで壱岐(いき)島へ渡り壱岐郡勝本町―芦辺町―郷ノ浦町―石田町とL字形に走り,印通寺港からフェリーで九州本土の呼子港へ渡る。佐賀県東松浦郡呼子町からは国道204号と重用して終点の唐津市へ至る。昭和50年国道に昇格。対馬・壱岐地方ではともに島内の主要幹線道路として果たす役割は大きい。 国道383号 平戸市と佐賀県伊万里市を結ぶ国道。平戸市南端の志々伎町より南北に延びる平戸島を縦断し,平戸市街の南で平戸瀬戸に架かる平戸大橋を渡り,対岸の北松浦郡田平町で国道204号と合わさる。その後,松浦市を経て伊万里市に至る区間は国道204号と重用されるが,伊万里市内に401mの単独区間がある。起点より田平町の合流点までの延長34.0km。平均幅員7.7m。平戸大橋の工事が最盛期を迎えた昭和50年4月に主要地方道から国道に昇格した。北東から南西方向に長く延びた平戸島を縦貫する島内の主要生活道であるとともに,島外からの観光道でもある。 国道384号 佐世保市と南松浦郡玉之浦町を結ぶ国道。全長85.28km。昭和50年に国道に昇格。国道昇格以前は有川~奈良尾間は主要地方道で,延長35.15km,福江―岐宿(きしく)―三井楽(みいらく)―玉之浦間は一般県道に所属し,延長50.13km。福江島には主要地方道の福江荒川線・富江岐宿線・福江玉之浦線や県道によって,東西・南北に道路網が結ばれていたが,当国道と福江玉之浦線が接続したことによって島内一周が可能になった。国道昇格により,難所であった貝津(三井楽町)と荒川(玉之浦町)に丹奈トンネル,頓泊トンネルが開通した。昭和58年1月の自動車交通量は1日に,有川5,624,青方7,025,奈良尾2,803,福江7,574,浜ノ畔1,035,中須627台となっている。海上交通では佐世保~有川間は1日1便,奈良尾~福江間は1日2便があり,1,500t内外のフェリーが九州商船によって運航されている。昭和56年の年間乗降人員は福江港70万人,有川港10万人である。 国道389号 鹿児島県阿久根市と長崎市を結ぶ国道。全長149.1km。茂木港から市内江戸町までの県内道路延長25.5kmは,国道324号と重用している。 国道444号 大村市と佐賀県諸富町を結ぶ国道。全長69.7km,県内道路延長20km。昭和56年4月30日に主要地方道大村鹿島線と発表されたが,翌57年4月1日付で国道444号に昇格。建設費は両県ともに31億円,計62億円が計上され,その中の66%を国が,34%を両県が負担。本県では昭和54年に着工し,同60年3月現在で大村市黒木郷字板小屋1007地先までの16.25kmが完成。佐賀県では昭和55年に着工し,諸富町諸富津~鹿島市間の47.22kmが完成している。残る6.23km(本県側3.72km,佐賀県側2.51km)が未完成であるが,本県側520m,佐賀県側880mの計1.4kmをトンネルで通す計画。両県とも年間5,000万円,計1億円の建設予算を計上して工事を進行させている。




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「角川日本地名大辞典」
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