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坂本町
【さかもとまち】


(近代)大正2年~現在の長崎市の町名。もとは長崎市里郷の一部。大正2年の戸数約150。町名の由来は不詳であるが,寛永15年この地を通りかかった老中松平伊豆守が,この地は坂本といい,その地形も比叡山や琵琶湖に似ているので山王権現を祀るよう指示したため,山王神社(旧白巌山円福寺)が創建されたという伝説がある。山王神社の樹齢300年以上といわれる楠木は市天然記念物で,旧二の鳥居は原爆によって片足を失い,片足鳥居として知られる数少ない原爆の遺品である。山王神社は本来は村社であったが,のち浦上太神宮(明治2年創建,現在の山里小学校の地)を合祀,戦前は県社であった。また,地内の外人墓地は長崎では一番新しい外人墓地で,グラバー夫妻や倉場富三郎夫妻,ピナテール,ジョルダンなど著名人の墓も多く,その一画には永井隆夫妻の墓もある。大正期の「長崎市分割地図」によれば,地内には米穀商・呉服屋などがあった。昭和3年の戸数422,同10年の戸数551・人口3,238。一部が同39年岩川町・浜口町・平野町,同40年本尾町となり,同年江平町の一部を編入。同50年の世帯数1,220,7街区。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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