佐須
【さす】

旧国名:対馬

古くは沙愁とも書いた。対馬の南部西海岸，佐須川流域に位置する。流域には「魏志倭人伝」に「無良田，食海物自活，乗船南北市糴」と記された対馬にあって最大の水田が広がる。地名の由来は，波浪や流水によって形成された砂州にちなむ（津島紀事）。古代の銀山や亜鉛採鉱跡，元寇古戦場，お日照り様と称する古い祭祀習俗を伝える。対馬第一の高峰矢立山があり，荒野隈には古代の烽が置かれ，遠見ノ壇山には近世に遠見番所が置かれていた。
【佐須浦(古代)】　平安期に見える浦名。
【佐須浦(中世)】　鎌倉期から見える浦名。
【佐須村(近代)】　明治41年～昭和31年の下県郡の自治体名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7220928