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佐世保川
【させぼがわ】


佐世保市内を流れる2級河川。市内の烏帽子岳北側を水源として西流し,山ノ田付近で流路を変え南流,途中で折橋川・福田川・名切川を合流して市街地を流れ佐世保港へ注ぐ。流路延長4.995km・流域面積14.69km(^2)。流域内の地質は第三紀層砂岩・頁岩で約300m以上の高部には玄武岩がみられる。山ノ田には旧海軍の飲用水確保のため築造された山ノ田水源池があり,桜の名所として市民に親しまれている。現在佐世保市の繁華街となっている浜田町付近は天明元年に浜田・古新田,山県町・白南風町一帯は寛政元年塩浜・破新田として平戸藩の奨励で個人が開いたものである。新田開発にしたがって河口も港のほうへ延びていった。明治19年第3海軍区佐世保鎮守府の設置がきまると人口も急増し,佐世保川に沿って市域が拡大していった。市街地の建設にあたっては将来を見通して,当時の県庁・郡役所・戸長役場・海軍省で文書が取り交わされた。できあがった市街地建設図では川の左岸が中心とされ,修正はあったものの今日の基礎となった。中流域の木場田・谷郷・元町にかけて県北振興局・市役所・保健所・警察署や新聞社の支局などが集中している。海軍橋の名で市民に親しまれ,昭和43年のエンタープライズ事件で攻防の場となった佐世保橋は架け替えられた。これより下流右岸は一部公園として市民に開放されているがアメリカ軍の基地として使用されている。左岸には旧海軍病院の国家公務員共済病院と市立総合病院が並ぶ。川に沿って遊歩道も整備され,貸ボートもあり,夏の精霊流しではアルバカーキ橋から万灯流しがある。市民の憩いの場としての護岸工事も進められている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7220941