唐船之浦
【とうせんのうら】

旧国名:肥前
五島列島の福江島北部に位置する。南に岐宿湾が湾入し,北西は東シナ海に面する。地名の由来は,かつて唐船が停泊したことにちなむ。古くは海外貿易の基地で,倭寇の根拠地でもあった。溺谷の入江のため外海から見えず,海賊船の隠れ場所としては最適であった。天文9年,中国人の海賊王直が福江に来航し,宇久(五島)盛に貿易を求め,盛はこれに応じ江川の入口(深江)・唐船浦・戸岐首を自由貿易港としたという。慶長19年に唐船貿易港は長崎1か所となり当地は貿易港としての使命を終えるが,それまで74年間自由貿易港としてにぎわったという(五島編年史他)。
【唐船之浦村(近世)】 江戸期の村名。
【唐船之浦郷(近代)】 年不詳~現在の行政区名。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7221805 |





