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戸岐之首郷
【とぎのくびごう】


(近代)年不詳~現在の行政区名。明治22年岐宿(きしく)村,昭和16年からは岐宿町のうち。五島列島の福江島北部に位置する。北は陸繋島戸岐半島,東は戸岐湾,西は岐宿湾に面する。地名の由来は戸岐半島の首部に当るからという。小規模な漁村集落で,わずかに耕地が開ける。天文9年中国の王直が福江に来航し,宇久(五島)盛は定貿易を許し,江川の入口(深江)・唐船浦・戸岐首を自由貿易港としたという。慶長19年唐船貿易港が長崎1か所に制定されたことにより深江・唐船浦・戸岐首の自由貿易港は禁止されたが,この間74年間にわたって公認自由貿易港としてにぎわった(五島編年史他)。また,密貿易や倭寇の根拠地にもなった。「五島編年史」によれば,江戸初期の万治2年の今高を記した史料に唐船浦・戸岐のくび・さがせとして47石余と見えるが,以後は唐船之浦村の一部となった。世帯数・人口は昭和50年26・103(男48・女55),同58年22・75。漁業従事者を主とし,過疎化の傾向が強い。昭和42年旭中学校は岐宿中学校旭分校となった。旭小学校は岐宿小学校の分校となったのち,同61年休校となった。県道河務福江線が通る。経済生活面では福江市との関係が強い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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