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長崎電気軌道
【ながさきでんききどう】


民営の電気軌道。長崎市内に赤迫~正覚寺下間,赤迫~蛍茶屋間,蛍茶屋~石橋間,正覚寺~蛍茶屋間の4系統の路線をもつ。営業距離11.5km(軌間1.435m,一部単線),運行回数1日639.5回(片道は0.5回),走行距離1日7,000km,利用客1日5万1,500人(年間1,880万人),従業員240人,車両72両。運賃は均一制でバス市内料金よりも安い。大正4年に資本金50万円,車両8両で病院下~築町間(3.5km)の営業を開始。昭和9年には,既に現在の路線の大部分(石橋―思案橋―蛍茶屋―大橋まで)が営業区間となり,唯一の市内交通機関として重要な役割を果たした。第2次大戦後,路線の及ばない郊外に住宅地が発達し,昭和35年に路線は市北部の赤迫まで延長されたものの,バス輸送の発展,マイカーの普及によって,利用客は昭和27年の3,049万人をピークに大幅に減少した。同じ状況にあった他都市の路面電車が廃止されていった中で,長崎市では軌道内車両通行禁止(区間10.7km)が実施され,ワンマン化,廃止都市からの電車の導入,車両の冷暖房化を進め,低運賃・定時運行をモットーに同46年以降利用客を増加させ黒字経営を復活させた。昭和55年に新型軽快車両を導入。乗客の77%が定期券外利用で,電車1日乗車券を利用した観光客や市民の足となっている。また,大正年間から長崎港内連絡船の営業や不動産業など経営の多角化を進め,戦後一時はバス事業も行っていた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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