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長崎本線
【ながさきほんせん】


日本国有鉄道の線区名称。鹿児島本線鳥栖駅から分岐して長崎駅に至る。全長125.3km。途中長与駅経由の旧線は132.0km。福岡県から佐賀県・長崎県を結ぶ西九州の幹線鉄道。接続線は佐賀駅から佐賀線・唐津線,肥前山口駅から佐世保線,諫早(いさはや)駅から大村線・島原鉄道線。開通は九州鉄道によるもので,佐賀県内の開通は鳥栖~佐賀間が明治24年8月,佐賀~柄崎(現武雄温泉)間が同28年5月。佐賀県から長崎県への路線は,当初の建設計画は佐賀県有田駅から佐世保線を分岐し,長崎線は早岐を経由しないで,川棚・大村につなぐ予定であったが,山間部を通り難工事が予想されたため,有田から早岐に出て,ここで佐世保線を分岐させ,大村湾岸を南下して川棚・大村に達するように変更された。県内では,明治30年7月柄崎~早岐間26.3kmおよび長与~長崎(現浦上)間8.0kmが開通,同31年1月早岐~大村間36.1kmが開通,同年11月最終工事区間大村~長与間33.3kmが開通して,全線開通した。大村~長与間は最急勾配1,000分の20,大草~大河内間の松峠トンネル1,093.3mを含む難工事であった。長崎駅は当初長崎港湾改良工事計画により,長崎市五島町前面の海面を埋め立てて建設する予定であったが,港湾改良工事の遅延により浦上山里村にひとまず置かれた。明治38年4月港湾改良工事の竣工により,長崎駅から1.5km路線が延長され,ここに長崎駅が新設され,従来の長崎駅は浦上駅と改称された。昭和5年3月長崎~長崎港間1.0kmが延長され,上海~長崎間の航路の表玄関になった。大正末期から肥前山口~諫早間に有明海沿岸廻りの有明平坦線建設が始まり,肥前山口と諫早から順次路線を延長し,昭和9年12月多良~湯江間が開通して全通した。この時有明平坦線を長崎本線に編入し,従来の早岐経由に比べ26.8kmの短縮となった。これによって従来の長崎本線のうち肥前山口~早岐間が佐世保線に編入され,早岐~諫早間は独立して大村線になった。昭和47年10月急勾配と急カーブでスピードアップが困難であった喜々津~浦上間に新線16.8kmが開通し,距離にして,6.7km,所要時間にして旅客列車で10~16分短縮した。新線16.8kmのうち10.6kmが8つのトンネルで結ばれ,長崎市若葉町~現川(うつつがわ)町間の長崎トンネル6,173.0mは九州で最長のトンネルである。昭和51年7月電化工事が完成し,博多~長崎間に特急みどりが走った。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7221944