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針尾橋
【はりおばし】


早岐瀬戸に架かる橋。佐世保市内の南風崎(はえのさき)町にある。国鉄南風崎駅と市内指方町を結ぶ県道が通過する。橋長126m,幅員8m。橋脚は高さ5.5~7mの3本,四径間連続鈑桁橋。国庫補助で工費1億5,300万円,昭和44~46年度の架橋。橋の東岸,塔ノ崎は江戸期は平戸領と大村領の境で,重尾の番所峠を通るのに必要な通行手形を持たない者が通ったといわれる。橋のたもとを北に下ると海辺に道祖神の堂があり,今なお信仰をつないでいる。現在の橋は4代目である。まず昭和17年,針尾海兵団造成のため宮村川河口北岸から幅3m位の簡単な橋がつくられ,中央部は手動で開閉するようになっていた。続いて翌年の海兵団開設に伴い,現在の針尾橋より約1km南,国鉄トンネルの上付近の海兵団東門から西に向けて長大な木橋が架設され,地元では海兵団の橋と呼んだ。終戦により海兵団兵舎は引揚援護局宿舎となった。引揚者はこの橋を渡って南風崎駅まで歩き,そこから列車で故郷へと帰っていった。橋は次第に老朽化し同25年9月4日,引揚援護局に代わって警察予備隊針尾駐屯部隊(のち陸上自衛隊)が開隊するのに併せて約100m北に改架された。早岐瀬戸の中央付近まで堤防を突き出し,その上部は木橋。西半分はコンクリート橋脚の鉄桁橋で幅員約5m,通称自衛隊橋。これも自衛隊が撤退した同32年以後老朽化し,最後は人間と二輪車しか通れなくなった。現在の針尾橋は同44年,県が跡地を針尾工業団地に造成するにあたり,国道202号の観潮橋周辺の混雑緩和の目的を兼ねて着工,同47年4月開通したが,針尾工業団地が遊休しているので交通量は少ない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7222383