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福島港
【ふくしまこう】


福島の南部に位置する地方港湾。北松浦郡福島町に所属する。福島町の中心集落である塩浜を背後地に,伊万里市浦ノ崎との定期航路が開設されている。当港の歴史は600年前にさかのぼるといわれ,内湾の内側に開口し,前面に天然の防波堤をなす島々と岩礁を配した良港であり,伊万里湾の重要な海上交通の要地であった。古くから製塩が行われていたほか,明治初年より石炭採掘が開始されたため,急速に港湾整備が進み,北九州・阪神向けの石炭積出し,九州本土との物資の輸送拠点として,昭和30年代の中興鉱業の進出の頃をピークに,大いに繁栄した。その後,昭和40年の中興鉱業の炭鉱閉山と,同42年,伊万里市波多津との間に福島橋が架橋されたことと相まって,港湾利用は激減し,浦ノ崎との定期船のほかは,主として湾内操業の小型漁船の利用が中心となった。昭和54年,当港の南に隣接する平野地区旧福島炭鉱ボタ山跡地に,液化石油ガス(LPG)を貯蔵するため,九州液化ガス福島基地の建設が決定し,同58年第1期分として16万tのLPG基地が建設され,将来32万t貯蔵のわが国最大のLPG基地としてさらに整備が進められている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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