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裳着神社
【もぎじんじゃ】


長崎市茂木町にある神社。旧村社。祭神は応神天皇・足中彦命・気長足姫命を主祭神とし,武内宿禰・大伴武持・物部胆咋・中臣烏賊津・大三輪大友主の5神を相殿に祀る。8柱の祭神はいずれも武にたけているため,明治以前は八武者大権現と称した。神功皇后(気長足姫命)が三韓出兵の途中,当地に立ち寄り裳を着けたとの故事から裳着の地名が起こり,のちに当社も創建されたと伝える(八武者大権現鎮座縁起)。地名の裳着が茂木と記されるようになった時期は未詳。武内宿禰以下の5祭神はいずれも神功皇后の出兵に従った人物である。中世末期長崎一帯へのキリスト教伝播後,キリシタンの焼打ちに遭い焼失。その後島原藩主松倉重政が,肥後国飽田郡祇園神社の神主託麻清永を用いて,焼打ちにより荒廃した茂木・日見・古賀3か村の神社再興に着手。当社は寛永3年に再興され,茂木の鎮守となった。以後清永の末裔が神主を勤め,清永の子息で3代清次は上京して吉田唯一神道の伝授を受けたので,以後は卜部(吉田)家の門下となった。明治政府の神仏分離政策により,明治元年大権現の社号を廃して裳着神社と改称した。例祭は10月19日。特殊神事に湯立神事がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7223143