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桃渓橋
【ももたにばし】


「もものきかわばし」ともいう。中島川の支流西山川に架かる橋。渓畔にモモの木が多かったのでこう呼ぶという。また,卜意橋(ぼくいばし)とも呼ばれ創建した僧卜意の名を付けたものである。長崎市内の伊勢町と出来大工町を結び,市道が通る。橋長13.0m,幅員3.5m。径間(アーチのさしわたし)9.8m,拱矢(アーチの高さ)3.7mの,やや小さい太鼓型アーチ石橋(石橋物語)。眼鏡橋より45年後の延宝7年11月に完成した(長崎古今集覧・実録大成・永島文書)。昔は,橋畔に石地蔵が建っていたという。卜意地蔵と呼んだが,現在は近くの光雲寺に移してある。下流の石橋群は洪水で何度も流失したが,この橋は1度も流れていない。創設以来300年余保ってきたが,昭和57年7月の大洪水で高欄や壁石が流れて大破した。ただ橋面石だけは水害前年に漆喰詰で張り替えたため,橋面は板のように繋がって流れなかった。水害前も高欄のあちこちに型の違う石が見られたのは,洪水のたびに流れた高欄を拾い集め,補修したためであろう。中島川石橋群10橋の1つとして昭和46年10月21日に市文化財に指定された。昭和59年度中に修理を終えて昔の美しい姿に戻った。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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