100辞書・辞典一括検索

JLogos

13

天草五橋
【あまくさごきょう】


宇土(うと)半島から大矢野島を通って天草上島に至る5橋の総称。1~5号橋があり,昭和41年9月24日に開通。1号橋(天門橋)は宇土郡三角(みすみ)町三角浦と天草郡大矢野町登立の飛岳を結び,連続トラス型式で,橋長502m,幅員7.25m(車道6.5m,歩道0.75m),高さ42m。2号橋(大矢野橋)は大矢野町中の五杷浦と同郡松島町合津の永浦島を結び,ランガートラス合成桁型式で,橋長249.1m,幅員7.25m(車道6.5m,歩道0.75m),高さ17m。3号橋(中の橋)は永浦島と大池島(合津)を結び,ディビダーグ工法によるコンクリート橋で,橋長361m,幅員7.25m(車道6.5m,歩道0.75m),高さ15m。4号橋(前島橋)は大池島と前島(合津)を結び,ディビダーグ工法によるコンクリート橋で,橋長510.2m,幅員7.25m(車道6.5m,歩道0.75m),高さ9m。5号橋(松島橋)は前島と上島(合津)を結び,パイプアーチ式で,橋長177.7m,幅員7.25m(車道6.5m,歩道0.75m),高さ17m。橋の色は,1号橋がシルバー,2号橋が薄黄色,3・4号橋はコンクリートのまま,5号橋が朱色。2号橋から5号橋までの間は天草五橋松島の景勝地。五橋は総工費31億6,400万円で日本道路公団が建設。夢の掛け橋は,架橋男の異名をもつ大矢野町の元町長森慈秀が昭和10年以来提唱してきた。五橋の開通により,1日あたりの通行車両は当初の予想よりはるかに多く,初年度は1日平均4,000台以上,同48年には5,000~6,000台となり,同47年度までに建設費を上回る35億円以上の収入があり,同50年8月10日から無料化され,国に移管された。五橋の完成は,「ハードウェアとしての五つの橋は,じつはソフトウェアとしての島民の心の掛け橋となった」とまでいわれた。五橋の実現で天草地域は宇土半島の延長と化し,昭和55年度以降は大矢野町の湯島と御所浦町を除いて離島振興法の指定から除外された。この五橋を通る道路は昭和40年3月29日,国道266号に指定され,1~5号橋の総延長17.4kmはパールラインの愛称で知られる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7223523