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鹿児島本線
【かごしまほんせん】


JR九州が経営する路線の1つ。九州北端の門司港駅(福岡県北九州市)から博多(同県福岡市)―久留米(同県久留米市)―熊本―水俣を経て鹿児島駅に至る。全長399.5km。駅数は104,うち県内では荒尾駅~袋駅(水俣市)間で31(信号場1を含む)。九州の中央を南北に貫く幹線で,明治22年九州鉄道株式会社が建設を開始。以後福岡県内での区間開通が相次ぎ,明治24年4月久留米~高瀬(現玉名)間54.9kmが開業し,県内ではじめて汽車が走った。以後,明治24年7月には高瀬~熊本間28km,同27年8月熊本~川尻(熊本市)間2km,同28年1月川尻~松橋(まつばせ)(宇土(うと)郡不知火町)間10.4km,同29年11月松橋~八代(やつしろ)間20kmが開業。八代以南の路線については,明治30年9月に測量を開始したが,水俣・川内(せんだい)(鹿児島県川内市)を経て鹿児島に至る海岸ルートと,人吉・吉松(鹿児島県吉松町)・隼人(同県隼人町)を経て鹿児島に至る山間ルートの2案が論議され,国防上の理由から官設による山間ルートでの建設が決定された。明治39年3月鉄道国有法が公布され,同40年7月買収された。同41年6月鹿児島線の八代~人吉間,同42年11月人吉~吉松間の開業により,門司~鹿児島間が全通し,鹿児島線は鹿児島本線と改称。一方,八代から川内を経て鹿児島に至る海岸ルートは大正2年10月以降,鹿児島県内での区間開通が相次ぎ,県内では大正12年7月八代~日奈久(八代市)間,同14年4月日奈久~佐敷(葦北郡芦北町)間,また同15年7月米ノ津(鹿児島県出水(いずみ)市)~水俣間,同年9月佐敷~湯浦(芦北町)間,昭和2年10月湯浦~水俣間が開業。これにより海岸ルートを鹿児島本線とし,人吉経由の旧線は肥薩線と改称した。県内での複線化は昭和43年12月の段階で川尻以北,浜戸川信号場~小川間,湯浦~津奈木間であったが,同45年7月には八代まで延長された。昭和40年9月荒木(久留米市)~熊本間が電化され,全線電化は同45年9月。県内の路線は八代以北ではほぼ平地や丘陵地の間を走るが,以南では通称三太郎越などの難所があることからほとんどが単線区間で曲線やトンネルも多く,スピードアップが課題。なお昭和33年10月に,はやぶさ(東京~鹿児島間),同37年10月に,みずほ(東京~熊本間),同39年10月に,みどり(新大阪~熊本間),同42年10月には有明(門司港~西鹿児島間)などの特急列車が運転を開始した。現在,博多で新幹線に接続する特急列車の所要時間は熊本~博多間で1時間30分余,西鹿児島~博多間で4時間40分前後。長距離寝台列車は山陽本線・東海道本線を直通し,熊本~大阪間で10時間20分前後,熊本~東京間を17時間余で結ぶ。昭和61年4月1日国鉄の分割民営化によりJR九州が経営する路線の1つとなった。県内では,上熊本駅で熊本電気鉄道,熊本駅で豊肥本線,宇土駅で三角線,八代駅で肥薩線,水俣駅で山野線と接続する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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