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鹿本鉄道
【かもとてつどう】


国鉄鹿児島本線植木駅を起点に県北の山鹿駅を結んだ民営鉄道。全長20.3km。盛時の駅数18。軌間1,067mm。大正4年11月地元資本のみによる鹿本軌道株式会社が設立され,翌5年には鹿本鉄道と改称。同年12月植木~山鹿間の免許交付,同6年12月植木~肥後豊田(植木町)間9km,同7年12月肥後豊田~宮原(同郡菊鹿町)間3.9km,同8年8月菊池川橋梁148mが竣工し,同10年12月宮原~来民(くたみ)(同郡鹿本町)間3.4km,同12年12月来民~山鹿間4kmが開業して全通。昭和3年ガソリンカーも導入され,列車本数も1日15往復でバスに対抗したが,経営は低迷を続け,経営の中心はバス部門へ移行した。第2次大戦中にはガソリンの統制によりバスの本数が減少し,再び鉄道が活況を見せたが,車両・設備などに不備の点が多く,起死回生には至らなかった。昭和26年には新たに気動車2両を導入し,山鹿~熊本間に1日4往復の直通列車の運転が開始され,翌27年には社名を山鹿温泉鉄道と改称した。昭和28年6月の水害により植木トンネルの崩壊,鉄橋の破損により年間収入に近い2,000万円の被害を受けたが,同年11月には熊本までの直通運転を再開。しかし,昭和32年7月の大水害による被害は致命的で,区間運転もなされたが,線路状態の悪化に伴い同35年11月30日全線休止となり,同39年の総会で全線の廃止が決議され,同40年2月運輸大臣から廃止許可が交付された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7224622