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九州鉄道
【きゅうしゅうてつどう】


明治40年の鉄道国有化以前に,九州中部以北に大鉄道網を有した私設鉄道会社。現在の鹿児島本線・日豊本線・長崎本線・筑豊本線などの一部,または大部分が含まれる。県内では鹿児島本線の八代以北と三角線(宇土(うと)市~宇土郡三角(みすみ)町間)が九州鉄道により建設された。明治21年6月福岡・熊本・佐賀・長崎の4県合同で資本金750万円の九州鉄道株式会社が設立され,同22年12月博多(福岡県福岡市)~千歳川仮停車場(同県久留米市,筑後川北岸)間が開業。これが九州における鉄道の最初で,ドイツ人技師ヘルマン・ルムシュテルを顧問に迎えて建設を進めたドイツ式鉄道として発展。明治24年4月1日久留米~高瀬(現玉名)間が開業し,県内にも汽車が走った。同年7月1日には高瀬~熊本間が開業し,熊本駅は春日ステーションとも呼ばれて熊本市の表玄関となった。明治29年11月には八代(やつしろ)まで,また同32年12月には三角線も開業した。明治24年4月には博多~門司(現門司港,福岡県北九州市)間,同8月には佐賀県の鳥栖~佐賀間,同31年11月には早岐(はいき)(長崎県佐世保市)経由で鳥栖~長崎(現浦上)間が全通。また,明治30年10月筑豊鉄道(現筑豊本線の一部),同34年9月豊州鉄道(現日豊本線の一部)などを合併し,九州中部以北に鉄道網を形成,ドイツやアメリカ製の機関車が活躍した。明治40年7月1日鉄道国有法の施行により,九州鉄道も国に買収され,買収価格は1億1,885万6,447円であった。九州鉄道の本社は当初博多に置かれていたが,博多~門司間の開業に伴い門司駅南側に移転。福岡市内の出来町公園に九州鉄道発祥の地の石碑,門司港駅ホームに鉄道百年を記念して0マイルの石碑がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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