100辞書・辞典一括検索

JLogos

32

熊本市電
【くまもとしでん】


熊本市が経営する公営路面電車。田崎橋~健軍町間,辛島町~上熊本駅前間の総延長12.1km。軌間1,435mm。車両数は連接車4両を含め38両。1日の輸送人員2万8,000人(昭和59年度)。運行は2号線(田崎橋~健軍町間)と3号線(上熊本駅~健軍町間)の2系統。大正13年8月1日熊本駅~浄行寺間4.6kmと水道町~水前寺間1.6kmが開通し,20両の電車で運行を開始。建設計画には諸案あったが,当時の市長高橋守雄の意見で市がすべての権利を譲り受け,市営として建設された。その後辛島町~南熊本駅前間,辛島町~上熊本駅前間,浄行寺~子飼橋間,水前寺~健軍町間,熊本駅前~田崎橋間などを新設。また熊本電気鉄道坪井線(藤崎宮前~上熊本駅前間),熊本電気軌道川尻線(河原町~川尻町間)など民営軌道の買収も行い,最盛期は25.2kmに及んだ。ピーク時の昭和38年には車両も87両,利用客も1日11万6,400人に達したが,市街地の拡大やマイカーの普及により利用客は減少。同40年の川尻線の廃止を皮切りに次々と路線が廃止され,全廃計画も発表された。しかし,同48年のオイルショック以後,省エネ無公害の市電が見直され,市電を残そうとの市民の声も高まり,同53年2系統の存続が決定。ラッシュ専用の連接車の導入や,全国に先駆けて冷房化を実施し,市民の足,熊本市観光の一中心となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7224979