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国道
【こくどう】


 国道3号 福岡県北九州市と鹿児島県鹿児島市を結ぶ国道。総延長438.9km,県内延長143.4km,管理は建設大臣。昭和40年国道指定。九州を縦断する幹線道路で,福岡県境の小栗峠を越えて県内に入り,鹿本郡鹿北町,山鹿市,鹿本郡鹿央町・植木町の田園地帯を通り,熊本市に入る。植木町で九州自動車道の植木インターチェンジに接続。熊本市から自動車関連会社,ドライブインが連なるなかを南下し,緑川を渡り下益城(しもましき)郡富合町,宇土(うと)市,宇土郡不知火町を通り,下益城郡松橋(まつばせ)町・小川町に入る。さらに藺草の産地として有名な八代(やつしろ)郡竜北町・宮原町を通り八代市に至る。八代市からは,八代海に臨む日奈久温泉を過ぎ,葦北郡田浦町・芦北町・津奈木町を経て水俣市に至る。この間はかつて国道3号最大の難所とされた通称三太郎峠。水俣市から鹿児島県出水(いずみ)市に至るが,熊本市以南のルートは旧薩摩街道とほぼ同じで,鹿児島本線が並走。幹線道路のため全線にわたり交通量が多く,各所で交通渋滞を生じ,バイパス工事や拡幅工事も進む。 国道57号 大分県大分市と長崎県長崎市を結ぶ国道。総延長300.7km,県内延長131.2km。管理は建設大臣。昭和40年国道指定。主要地方道別府一の宮線(やまなみハイウエー)とともに,九州のほぼ中央部を横断し,別府―阿蘇―雲仙―長崎を結ぶ観光道路としての役割も大きい。大分県犬飼町で国道10号と分かれ,竹田市を経て阿蘇郡波野村に入り,豊肥本線と並走,一の宮町・阿蘇町・長陽村,菊池郡大津町・菊陽町を通り,熊本市に入る。大津町と熊本市を結ぶルートは旧豊後街道にあたり,江戸期は参勤交代の道筋で,なかでも大津町~熊本市間を大津街道といい,杉並木が国道と豊肥本線を挟んで続く。熊本市からしばらく国道3号と合流して下益城(しもましき)郡富合町を通り,南下して宇土(うと)市に入り,宇土半島を西進して宇土郡三角(みすみ)町に至る。ここから長崎県島原市までの海上部はフェリーで結ばれる。熊本市周辺,菊池郡菊陽町周辺の交通渋滞がひどく,バイパス工事が行われている。 国道208号 熊本市と佐賀県佐賀市を結ぶ国道。総延長86.3km,県内延長43.4km。管理は建設大臣。昭和40年国道指定。玉名市・荒尾市・大牟田市・柳川市・大川市など有明海沿いの地方都市を結ぶ。県内では,熊本市から鹿本郡植木町まで国道3号と重用,植木町から西に分かれ,玉名郡玉東町,玉名市,玉名郡岱明(たいめい)町,荒尾市を経て福岡県大牟田市に至る。全線にわたり交通量が多く,バイパス工事も進む。 国道212号 大分県中津市と阿蘇郡阿蘇町を結ぶ国道。総延長137.9km,県内延長47.6km。管理は県知事。昭和40年国道指定。日田杉・小国杉などの林産物を搬出する産業道路であるが,耶馬渓,日田・杖立温泉,阿蘇外輪山の大観峰などを結ぶ観光道路でもある。大分県の本耶馬渓町・日田市を通り,阿蘇郡小国町に入り,南小国町を経て阿蘇町に至る。沿線は杉の美林に包まれ,大観峰から望む阿蘇五岳も美しい。 国道218号 熊本市と宮崎県延岡市を結ぶ国道。総延長154.2km,県内延長61.6km,管理は県知事であるが,一部は建設大臣。昭和40年国道指定。旧日向街道のルートにあたり,宮崎県有数の工業都市である延岡市・日向市と直結する産業道路。上益城(かみましき)郡矢部町の通潤橋,宮崎県側の高千穂峡など周辺地域の観光地を結ぶ観光道路でもある。県内では,熊本市から下益城郡松橋(まつばせ)町まで国道3号と重用。下益城郡豊野村・中央町・砥用(ともち)町,上益城郡矢部町・清和村,阿蘇郡蘇陽町を経て宮崎県高千穂町に至る。 国道219号 熊本市と宮崎県宮崎市を結ぶ国道。総延長172.6km,県内延長90.0km。管理は県知事。昭和40年国道指定。熊本市と宮崎市を結ぶ幹線道路で,熊本市~八代(やつしろ)市間は国道3号と重用。八代市の新萩原橋を渡り,八代郡坂本村,球磨(くま)郡球磨村を経て人吉市に至る。肥薩線と国道219号が球磨川を挟んで並走,沿線には球磨川下り・球泉洞・人吉温泉などの観光資源がある。人吉市からは球磨郡錦町・免田町・多良木町・湯前町を通り,宮崎県境の横谷峠を越えて宮崎市へ至る。人吉市からは湯前線が並走。球磨川沿いの部分は幅員か狭く,崖崩れなどで交通に支障を及ぼすことが多い。現在,八代~人吉間では九州山地を貫く九州自動車道の建設工事が進み,昭和64年度の完成予定。 国道221号 人吉市と宮崎県都城市を結ぶ国道。総延長73.9km,県内延長16.3km。管理は県知事。昭和40年国道指定。江戸期には人吉藩と薩摩・日向を結ぶ重要なルートであった。人吉市から球磨(くま)郡錦町に入り,再度人吉市に入って南下,約12年の歳月を費やした加久藤トンネル,東洋一という人吉ループ橋を通り,宮崎県えびの市に至る。旧道は道幅も狭く急坂・カーブが多く,加久藤峠は一大難所であったが,全面改修された。 国道265号 宮崎県小林市と阿蘇郡阿蘇町を結ぶ国道。総延長215.8km,県内延長48.3km。管理は県知事。昭和40年国道指定。小林市から阿蘇町までの九州山地のほぼ中央を縦断するルートで,ひえつき節のふるさと宮崎県椎葉村から五ケ瀬町を通り,阿蘇郡蘇陽町に入り,阿蘇山東部を北上,高森町―波野村―一の宮町を経て阿蘇町に至る。蘇陽町1.0kmは宮崎県日向市と蘇陽町を結ぶ国道327号(総延長116.7km)と重用。 国道266号 牛深市と宇土(うと)郡三角(みすみ)町を結ぶ国道。総延長123.0km。管理は県知事。昭和40年国道指定,同49年路線変更。天草と九州本土を結ぶ幹線道路。天草下島の牛深市,天草郡河浦町,本渡市を通り,天草上島東海岸の天草郡栖本(すもと)町・倉岳町・竜ケ岳町・姫戸町を経て松島町に入り,大矢野町を経て三角町に至る。松島~三角間は天草五橋で結ばれ,天草パールラインの名称で親しまれる。 国道267号 人吉市と鹿児島県川内(せんだい)市を結ぶ国道。総延長86.6km,県内延長18.1km。管理は県知事。昭和40年国道指定。人吉市から球磨(くま)川支流の胸川に沿って南下,鹿児島県境の久七峠を越えて大口市に至る。江戸期,人吉から薩摩領に入るルートの1つであった。 国道268号 水俣市と宮崎県高岡町を結ぶ国道。総延長115.6km,県内延長16.0km。管理は県知事。昭和40年国道指定。水俣市から山野線と一部並走し,鹿児島県大口市に入り,菱刈町を経て宮崎県に入り,えびの市・小林市を経て高岡町に至る。 国道324号 長崎県長崎市と宇土(うと)郡三角(みすみ)町を結ぶ国道。総延長120.6km,県内延長95.1km。管理は県知事。昭和44年国道指定。長崎市の茂木港から天草郡苓北町富岡に入り,天草郡五和(いつわ)町,本渡市,天草上島の天草郡有明町・松島町を経て,三角町に至る。途中,茂木港~富岡港間は海上部,松島町~三角町間は国道266号と重用。天草下島と島原半島間の早崎瀬戸および有明海に沿う海岸道路。 国道325号 福岡県久留米市と宮崎県高千穂町を結ぶ国道。総延長128.9km,県内延長83.2km。管理は県知事。昭和44年国道指定。熊本県北部を横断する要路で,福岡県久留米市から山鹿市までは国道3号と重用。山鹿市,鹿本郡鹿本町,菊池郡七城町,菊池市,菊池郡旭志(きよくし)村・大津町を通り,黒川に架かる阿蘇大橋を渡り阿蘇郡長陽村に入る。さらに南郷谷の白水村・高森町から蘇陽町に入り,再び高森町を経て宮崎県高千穂町に至る。長陽村から高森町までは高森線が並走。 国道327号 宮崎県日向市と阿蘇郡蘇陽町を結ぶ国道。総延長116.7km,県内延長1.0km。管理は県知事。昭和44年国道指定。県内延長が短いうえ,国道265号と重用している。 国道387号 大分県宇佐市と熊本市を結ぶ国道。総延長144.0km,県内延長60.0km。管理は県知事。昭和49年国道指定。大分県九重町から旧宮原線(昭和59年廃止)にほぼ沿って阿蘇郡小国町に入る。小国町から大分県中津江村―上津江村を通り,菊池市から菊池郡泗水町―西合志(にしごうし)町を経て熊本市に至る。菊池市から熊本市までは,熊本電鉄(昭和60年に菊池~御代志間は廃線)が並走。中津江村から熊本市までは,江戸期の日田往還,うち特に菊池市~熊本市間は菊池往還のルートとほぼ一致する。 国道389号 鹿児島県阿久根市と長崎県長崎市を結ぶ国道。総延長149.1km,県内延長84.7km。管理は県知事。昭和49年国道指定。鹿児島県長島町の蔵之元からフェリーで牛深市に入り,以後天草郡河浦町まで国道266号と重用。天草郡天草町を経て苓北町に入る。この間,天草灘に臨む天草下島の西海岸は妙見浦などの眺望に恵まれる。苓北町~長崎市間は国道324号と重用し,海上部はフェリーで連絡。 国道442号 大分県大分市と福岡県大川市を結ぶ国道。総延長168.2km,県内延長31.4km。管理は県知事。昭和56年国道指定。県内では,小国地方を東西に横切る。大分県朝地町から竹田市・久住町を経て阿蘇郡南小国町に入り,瀬の本高原でやまなみハイウエーと交差して西進,小国町から大分県中津江村を通り,福岡県八女市・筑後市を経て大川市に至る。 国道443号 福岡県大川市と山鹿市を結ぶ国道。総延長35.2km,県内延長18.4km。管理は県知事。昭和56年国道指定。福岡県から九州自動車道に沿って玉名郡南関町に入り,県北部の玉名郡三加和町を通り,鍋田横穴群など古代文化の史跡に富む山鹿市に至る。 国道445号 熊本市と人吉市を結ぶ国道。総延長139.0km。管理は県知事。昭和56年国道指定。平家の落人伝説を秘めた五家荘,五木の子守唄のふるさと球磨(くま)郡五木村を訪ねるルートでもある。熊本市から上益城(かみましき)郡嘉島町―御船町―矢部町を通り,下益城郡砥用(ともち)町に入る。これより九州山地を南下,八代(やつしろ)郡泉村との境にあたる二本杉峠から五家荘に入り,五木村―相良(さがら)村―山江村を経て人吉市に至る。 国道446号 宮崎県日向市と球磨(くま)郡湯前町を結ぶ国道。総延長106.9km,県内延長21.3km。管理は県知事。昭和56年国道指定。宮崎県椎葉村から県境の湯山峠を越えて,球磨郡水上村に入る。湯山温泉・市房ダムを過ぎ,球磨川に沿って湯前町に至る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7225186