繊月大橋
【せんげつおおはし】

球磨(くま)川に架かる橋。人吉市の相良町と矢黒町を結び，国道219号の矢黒バイパスが通る。橋長202m，幅員15m。橋名は，人吉城の別名繊月城にちなむ。人吉市街地は，城下町の特徴を各所に残し，特に狭くて直角に曲折する市内中央繁華街を通る国道は盆地内各地，宮崎・鹿児島・八代(やつしろ)方面への交通の要衝であるとともにネックでもあり，渋滞がひどくなっていた。そのため球磨川南部の市街地南縁を通る矢黒バイパス（人吉市上薩摩瀬町～西間下町間）約2.5kmが，昭和53年７月この橋の完成により開通した。河北部の農免道路の開通とあいまって人吉市街地の交通混雑や騒音が大幅に緩和され，観光や商業活動の面でも効果を示している。なお繊月大橋の右岸側にある国民宿舎くまがわ荘は人吉城主相良氏の下屋敷跡。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7226049