古川井手
【ふるかわいで】

菊池市重味・豊間の台地を灌漑する用水路。水路延長10.6km。菊池川最上流に位置し,文化13年河原手永平野村・大柿村庄屋五島嘉兵衛の尽力により竣工。菊池市重味の古川から自然流入し,重味の生味・篠倉を経て豊間の戸豊水・太田・大柿・平野に至る台地上の水田250ha(創設時の新開田50ha)を潤す。古川井手の築造以前に,下流側の原井手・菊池井手などがすでに菊池川から取水していたため,堰を設けられず,旱魃時には下流井堰がかりとの水論が頻発した。このため天保4年豊後側の日田郡津江郷(大分県上津江村)から津江川の水を隧道で菊池川支流の鉾ノ甲川に導き,水量の増加を図った。この水源が兵藤山の渓谷にあることから兵戸(兵藤)井手と称し,両者を含めて古川兵戸井手とも呼ぶ。後者は,現在荒廃して通水機能をもたない。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7227561 |