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豊肥本線
【ほうひほんせん】


JR九州が経営する路線の1つ。熊本駅から立野(たての)(阿蘇郡長陽村)・豊後竹田(大分県竹田市)を経て大分駅(大分市)に至る。全長148km。駅数33(うち信号場1),うち県内では熊本駅から滝水駅までの18。大正元年熊本県側は宮地軽便線,大分県側は犬飼軽便線として建設に着工。宮地軽便線は同3年6月熊本~肥後大津(菊池郡大津町)間,同5年11月肥後大津~立野間,同7年1月立野~宮地(阿蘇郡一の宮町)間が開業し,宮地線と改称。犬飼軽便線は大正6年開業し,犬飼線と改称。昭和3年12月宮地~玉来(竹田市)間が開業し,熊本~大分間が全通。豊肥本線と改称した。九州初の横断鉄道で,雄大な阿蘇のカルデラ内を走行するため急勾配が続く。阿蘇カルデラの入口に位置する立野駅付近は1,000分の33.3の急勾配で,三段式スイッチバックが設置され,また,宮地~波野(阿蘇郡波野村)間も外輪山を越えるため路線は大きく迂回して上り勾配に入り,坂の上トンネルを抜けると下り勾配となる。この線は熊本・大分両県を結ぶほか,長崎―雲仙(長崎県)―熊本―阿蘇―別府(大分県)を結ぶ九州横断の一大観光ルートにあり,観光路線としての役割も大きい。現在,熊本~大分・別府間には急行火の山が3往復運転され,大分まで3時間余。近年では,九州横断道路の開通や国道57号の整備が進み,熊本市・大分市などへの通勤通学路線としての性格を強め,熊本~宮地間,大分~豊後竹田間の運転本数が多い。近年,武蔵塚・東海学園前の2駅が新設され,熊本~肥後大津間の列車も増発された。同62年4月1日国鉄の分割民営化によりJR九州が経営する路線の1つとなった。県内では熊本駅で鹿児島本線,立野駅で南阿蘇鉄道と接続する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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