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南阿蘇鉄道
【みなみあそてつどう】


旧国鉄高森線。JR九州が経営する豊肥本線立野(たての)駅(阿蘇郡長陽村)と阿蘇南郷谷東部の高森駅(同郡高森町)を結ぶ。全長17.7km。駅数8。熊本市と延岡(宮崎県)方面を結ぶ九州横断の路線の1つとして計画され,昭和3年2月宮地線の一部として高森線の区間全線が開業。同年12月の豊肥本線の開業により高森線と称した。一方,宮崎県側では昭和10年2月に延岡~日向岡元(延岡市)間が開業して以来,同14年10月に日ノ影町の槙峰~日ノ影間が開業して,日ノ影線と称した。第2次大戦により,以後建設工事は中断した。昭和40年代に入り工事は再開されたが,高森トンネルの出水事故などで,同47年7月の日ノ影~高千穂(高千穂町)間の開業(現高千穂線)以後,再び工事は中断された。高森線は南阿蘇地方の産業・経済に大きく貢献し,かつては熊本までの直通運転も行われた。同50年3月湯前線とともにSLの運転がなくなり,無煙化を達成した。同56年6月特定地方線の第1次廃止対象線区として廃止承認を申請(昭和55年度の営業係数は768),同59年1月には貨物営業も廃止された。以後,路線の存続・廃止が論議されたが,同61年4月1日,第三セクター方式による南阿蘇鉄道に経営が引き継がれた。現在,加勢・見晴台の2駅が新設され,地域住民の足として1日10往復のレールバスのほか,春秋の行楽時にはトロッコ列車ゆうすげ1往復が運転されている。長陽村の立野~長陽間に架かる第3白川鉄橋は沿線の名所。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7227858