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霊台橋
【れいだいきょう】


下益城(しもましき)郡砥用(ともち)町清水にある石造橋。緑川本流が峡谷部にさしかかる所に架かる。たび重なる木造橋の流失に悩む地元民の熱望により,弘化2年砥用手永惣庄屋篠原善兵衛らが計画,翌年2月着工,同4年に完成。橋長88.9m,幅員5.5m,高さ19m,拱間(アーチの直径)28.2mで,単アーチ式眼鏡橋としては,日本最大のスパン。両岸から,石垣で築いた取付け道路をせり出して橋に接続し,側面は2段構えの副石垣を造り補強している。そのため橋全体がやや反りをもつ。明治33年松橋(まつばせ)―砥用―矢部―延岡(宮崎県)への道路の一部が県道になった時,路面左右に石垣を積み足し,路面を平坦にした。以後,上流に鉄橋が供用されるまで国道218号の一部として,増加する輸送に耐えてきた。砥用地方は石橋の里として知られるが,霊台橋はそのなかの白眉とされ,昭和42年国重文に指定された。同53~55年大規模な保存修理工事が行われ,架橋当初の形に復元されて静かなたたずまいを見せる。橋のたもとに惣庄屋篠原善兵衛・種山村石工宇助らの碑がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7228342