100辞書・辞典一括検索

JLogos

39

頭成港
【かしらなりこう】


速見(はやみ)郡日出(ひじ)町の西南,大字豊岡にある港。頭成は頭無とも書く。別府湾の北西隅で,入江と玉川の川尻があって,「豊国紀行」に「頭成は船の付所也,大船も繋ぐ,上に山あり,向にも山あり,景頗るよし,山下にある町なり」とある。港は森藩のもので,森藩は頭成に新町の町屋をつくり,覚正寺の寺を参勤交代時の宿泊所としていた。「西遊雑記」に,「頭成に行く,此辺の交易所にして商船の入津と見え,市中五百余軒,日田御支配,玖珠領〈久留島侯〉入交りの町なり,久留島侯御参勤,此浦より御船に乗らせ,御登りある事なり」とある。「豊後国志」に,「大神郷頭成村にあり。小浦港と連接,比屋鱗次」とある。明治31年「大分県農工商統計書」により豊岡港商品移出入高第5位までの品目をあげると,移出は米・清酒(他郡)・青莚・製竹・竹類,移入は呉服太物・石油・雑穀・塩・砂糖,取引は砂糖の讃岐を除くと阪神が多い。しかし別府港の整備と国鉄日豊本線の開通で商港は衰えた。現在,港は漁港としての機能を持ち,第1種として改修中である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7229682