国見山
【くにみさん】

日田(ひた)市と下毛(しもげ)郡山国町の境にある山。標高860m。東の山国町境にある大将陣(たいしようじん)山(909.8m)よりも低いが,北は英彦山(ひこさん)(1,199m)や岳滅鬼(がくめき)山(1,036m)などの山塊を見上げ,東には山国町との境を結ぶ連山を,西には小野川に沿う集落を一望でき,国見の名にふさわしい。また国見山への路は,小野川の上流,殿町松山の集落から北東に3km谷に沿って登りつめたところにあり,その路は郡境を越えて山国川上流の田良川に通じている。国見山の周囲から集まった水は,松山の集落を潤し,谷間に沿って2kmの上流まで水田化され,かつて12戸の民家があったが,今は過疎の例にもれず8戸になった。国見山一帯の山林には良材が育ち,山路は木材を搬出した跡が絶えることなく見られたが,今はワイヤーロープによる能率的な搬出になった。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7230259 |





