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呉橋
【くれはし】


宇佐神宮境内の西参道が寄藻(よりも)川に架かる橋。長さ24.9m。宇佐神宮への勅使街道が旧鳥居前町の本町筋から入る参道に当たり,現在,一般参拝者は通行止ですぐ下流に並行する橋を渡っている。貝原益軒は「この橋の長さ十三間ばかり,上に甍ありてあたかも家の如し」と記している。記録には梁間1間・桁行13間,中央が高くやや太鼓橋状で櫛形唐破風,檜皮葺の屋根をもち内外とも朱塗の木橋(脚部のみ石造)とある。現在もその形を残している。左岸の擬宝珠高欄の記名には,元和元年中津藩主細川忠利が改造とある。以後寛保3年,明治9年,昭和16年に改修され,第2次大戦後県重要文化財となり下流側の橋からの通行となった。創築年代は不明であるが鎌倉期以後からのものと思われる。名称の由来については,呉国の工匠の作だからという説と,正安3年勅使和気篤成朝臣の歌の「影見れば月は南によりも河 暮るるに橋を渡る宮人」と詠んだことから「くれはし」となったという説がある。昔は呉橋の下流の神橋までを月ノ瀬川,さらにその下流を浅瀬川と称したこともあった。橋のたもとの境内には相撲場ができている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7230349