市木
【いちき】

旧国名:日向
市木川流域に位置し,東は日向灘に面する。北東部の石波海岸には砂礫地に発達した亜熱帯性植物の多い天然の防風林が続き,太平洋岸における稀な亜熱帯性樹林として重要で,昭和26年石波の海岸樹林として国天然記念物に指定された。樹林内にはクロマツ・タブノキ・センダン・マキ・タチバナ・ミサオノキ・ハマナツメ・ホウライカズラ・ハマカズラ・テリハツルウメモドキ・サザンカ・ハマクサギ・ネコノチチ・カカツガユ・ハマヒサカキ・コバンモチ・クスドイゲ・ハクサンボクなどの暖帯樹のほか,ハマオモトの群生があり,アゼトウナの自生の南限地でもある。また,石波の北,夫婦浦一帯は昭和45年7月海中公園の指定をうけている。石波海岸から約150m東方の沖合いにある幸島は猿島とも呼ばれる。120匹余りの日本猿が生息する小島で,周囲約4km・最高海抜約113m,弁財天を祀る。この猿と幸島は昭和9年に国天然記念物に指定されており,同23年京都大学の今西錦司を中心とするグループによって日本最初のニホンザルの生態研究が始められ,日本のサル学の発祥の地と呼ばれる。幸島の猿はかつて弁財天の使いとして愛護されたというが,この研究によって餌付けに関係した「イモ洗い行動」「味つけ行動」「砂金掘り(小麦選別)行動」「水泳」「おちょうだい行動」などの発明や伝承がみられることが明らかになり,世界的にも注目された。地内には県史跡の市木古墳がある。また昭和34年地内藤から2基の箱式石棺が発見され,その1基から頭椎大刀1振りが見出された。箱式石棺は古墳後期のものという。
【市木(中世)】 室町期から見える地名。
【市木村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
【市木村(近代)】 明治22年~昭和29年の南那珂郡の自治体名。
【市木(近代)】 昭和29年~現在の串間市の大字名。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7234372 |





