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宇納間井堰
【うなまいぜき】


入下本村井堰ともいう。東臼杵(ひがしうすき)郡北郷村にある井堰。五十鈴川から取水し,約3kmの用水路で入下に導水し,約10haを灌漑する。宇納間の人岩倉宝助が開設した。宝助は元庄屋の家に生まれ,常に村民に新田開発をすすめ,数十haを開田させたが,老年になったので入下村の方へ隠居した。ところが入下村は,水利に恵まれず,ほとんどやぶと畑で,飯米の自給ができなかった。宝助は,老体にむちうって,宇納間字細に堰をつくり,水を入下村に引き開田をしたが,その工費はほとんど年賦返還の方法で,自分一人で融通した。村人が,文化11年に碑をたてて,その徳をたたえているので,それ以前に完成したものと推測されている。井堰は当初板堰であったが,昭和27年に,コンクリート堰に改築して現在に至っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7234468