100辞書・辞典一括検索

JLogos

17

霧島屋久国立公園
【きりしまやくこくりつこうえん】


霧島(本県・鹿児島県),桜島(鹿児島県),屋久島(鹿児島県)の3地区からなる国立公園。昭和9年に霧島国立公園として指定を受けたが,同39年に桜島地区と屋久島地区が加わり,現在の名称となる。総面積540.12km(^2)で,本県に属するのは霧島地区の141.3km(^2)。えびの市・小林市・西諸県(にしもろかた)郡高原(たかはる)町・都城市のそれぞれ一部が含まれる。霧島は大小23の火山からなる複合火山帯。その火山の多くが山頂に大きな火口をもち,そのパノラマは月面を思わせる。最高峰韓国(からくに)岳(1,700.3m)や天孫降臨伝説で有名な高千穂峰(1,574.0m),昭和34年に噴火した新燃(しんもえ)岳(1,420.8m),わが国最大の山頂火口湖である大浪池(1,411.4m)などは,手頃な登山コースとして利用されている。新燃岳から中岳(1,322.4m)にかけての山頂スロープには,ミヤマキリシマの大群落があり,5月から6月にかけての開花期には登山客の目を楽しませる。韓国岳西麓の標高1,200m前後の位置に広がるえびの高原は,九州で最も高い温泉郷として知られるが,近くにある不動池・六観音池・白紫(びやくし)池の池巡りのほか,春はミヤマキリシマ,夏はキャンプ,秋は紅葉とススキ,冬は白紫池の天然スケートと,四季折々の自然を楽しむことができる。小林市からえびの高原を経て,鹿児島県の霧島温泉郷へ通ずる主要地方道小林えびの高原牧園線は,赤松林の中を抜け,林の切れ目からは雄大な景色を展望することができる。夷守(ひなもり)岳(1,344.1m)の北麓には生駒(いこま)高原があり,春は菜の花,秋はコスモスが高原一帯に咲き乱れ,多くの行楽客が訪れる。同じく夷守岳の東麓にある夷守台では,昭和48年に全国植樹祭が開かれたが,その会場跡地は,宮崎県青少年研修の森として整備されている。また,高千穂峰東麓には,霧島最大の火口湖である御池があり,湖畔および周辺はキャンプ場や野鳥の森となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7234892