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国道
【こくどう】


 国道10号 福岡県北九州市と鹿児島県鹿児島市を結ぶ国道。総延長447km。うち県内分は,東臼杵(ひがしうすき)郡北川町川内名の鐙(あぶみ)から都城市五十町までの約173kmである。昭和40年3月に国道に認定。建設省の管理。九州を北から南に貫く動脈で,国道3号に次ぐ幹線道路である。ほぼ国鉄日豊本線に並行して走り,工業都市延岡市・日向市,県都宮崎市,都城市の4市を結ぶ県内道路交通網の幹線である。昭和44年4月に制定された県沿道修景美化条例により,沿道にはパンパスグラス・コバノセンナなどの各種の花卉類が栽植されている。 国道218号 熊本県熊本市と延岡市を結ぶ国道。総延長約150km。うち県内分は約69km。昭和40年3月に国道に昇格。清流とアユやなで知られる五ケ瀬川沿いに工都延岡市を西進し,岡元―曽木―日之影を経て,神話の里,刈干切唄で知られる西臼杵郡高千穂町に達する。延岡城下から曽木―船の尾―宮水を経て高千穂町三田井に至る道は,古くは高千穂往還といった。延岡方面の海産物と高千穂周辺の山産物,旧槙峰鉱山の銅の輸送路として利用され,また,隣国肥後と日向の国を結ぶ文物交流の重要な街道であった。バイパスとして,日之影バイパス(長さ約27km)が建設中である。西臼杵郡日之影町七折(ななおり)には東洋一のアーチ橋,青雲橋(長さ410m,水面からの高さ137m)が,昭和59年12月に,着工から9年ぶりに完成した。 国道219号 熊本県熊本市と宮崎市を結ぶ国道。総延長約178km。うち県内分は約83km。昭和40年3月に一般国道に認定。熊本市から国道3号と重用して南下し,八代市で3号と分岐し,球磨(くま)川に沿って人吉市に入り,免田町・湯前町を経て,県境横谷トンネルを抜けると宮崎県に入る。隠田集落で知られる児湯(こゆ)郡西米良(にしめら)村の中心地村所(むらしよ),古墳の里西都(さいと)市,旧城下町宮崎郡佐土原(さどわら)町を経由する。宮崎市新名爪(にいなづめ)から国道10号と重用し,市街地に至る。佐土原城下から尾泊―越野尾―小川―村所―横谷を経て熊本県の人吉市に至る道は,古くは米良街道と呼ばれていた。 国道220号 宮崎県と鹿児島県国分市を結ぶ国道。総延長約185km。うち県内分は約92km。昭和40年3月に国道に昇格。建設省が管理。宮崎市の橘交差点から南下し,日南海岸国定公園をさらに南進し,串間市高松で県境を越え,志布志湾沿いに進んで,大隅半島を横断し,鹿屋市より錦江湾沿いに北上すると,終点国分市に至る。日南海岸国定公園・霧島屋久国立公園の青島―桜島―霧島を結ぶ三島ルートは観光道路としての比重が高い。 国道221号 都城市と熊本県人吉市を結ぶ国道。総延長約84km。うち県内分は,えびの市東川北から都城市都北町の松の元までの約58km。昭和40年3月に国道に昇格。熊本・宮崎県境の加久藤トンネルを越え,えびの市・小林市を経て都城市に至る。霧島連山の北西麓を国鉄吉都線とほぼ並行して走る。えびの市~都城間の221号沿いは,本県の穀倉地帯として知られ,古くから農畜産物・林産物の輸送路として貢献している。 国道222号 日南市と都城市を結ぶ国道。延長約56km。昭和40年3月に国道に昇格。日南市油津地区を起点に旧城下町飫肥(おび),酒谷川上流の上熊・鼻切の両峠を越えて終点都城市中央通りに至る。鼻切~酒谷間は改良工事が進み,幅員も広げられつつある。油津方面の海産物と都城方面の山産物の交易路として,古くから重きをなしていた。 国道223号 小林市と鹿児島県隼人町を結ぶ国道。総延長69.5km。うち県内分は28.3km。昭和40年3月に国道に指定。国道221号と重用して小林市から西諸県(にしもろかた)郡高原(たかはる)町に入り,西麓で223号は南西に分かれる。高千穂峰の東から南山麓を通り,鹿児島県霧島町から霧島神宮・霧島温泉群を経て隼人町に通じる。 国道265号 小林市と熊本県阿蘇町を結ぶ国道。総延長約217km。うち県内分は,小林市細野の本町から西臼杵郡五ケ瀬町鞍岡の原尾野までの約163km。昭和40年3月に国道に昇格。九州の中央山地を縦貫する。奥地林開発の林道として利用されてきたが,九州山地の産業および観光開発の役割を重視して国道に昇格。路線の幅員が狭く,急勾配・急カーブの連続である。山間部の交通量は1日500台程度である。阿蘇―高千穂―市房山―米良の里―霧島を結ぶ観光ルートとして,また,豊かな山林資源開発のための国道として,今後の整備が期待される。 国道268号 熊本県水俣市と東諸県郡高岡町を結ぶ国道。総延長98km。うち県内分は,えびの市亀沢の西重松から高岡町浦之名の赤谷までの約38km。昭和40年3月に国道に昇格。小林市~えびの市加久藤町間は,国道221号と重用している。 国道269号 鹿児島県指宿市と宮崎市を結ぶ国道。総延長約147km。うち県内分は,都城市梅北町の高見堂から宮崎市源藤町までの約50km。昭和40年3月に国道に昇格。鰐塚山地の田野・青井岳の山間部は,かつては急勾配・急カーブの連続で,交通の難所として知られたが,路線の改良が進み,快適な山峡ルートに生まれ変わった。国道10号経由の都城~宮崎間の連絡は,この路線がとってかわろうとしている。 国道325号 福岡県久留米市と西臼杵郡高千穂町を結ぶ国道。総延長約144km。うち県内分は,高千穂町の所尾野(とこおの)~三田井間の約17km。昭和44年12月に国道に昇格。高森峠から阿蘇の外輪山沿いに緩やかに高千穂へと下る。阿蘇・祖母山・傾山など山間風景はすばらしい。 国道326号 延岡市と大分県犬飼町を結ぶ国道。総延長約74km。うち県内分は東臼杵郡北川町の笹首(長井)~臼杵(川内名)間の約17km。昭和44年12月に国道に昇格。大分県の三国峠,県境は幅員も狭く,急勾配と急カーブの連続で,交通量も少ない。路線沿いの豊かな林産資源の輸送路としての価値は高い。 国道327号 日向市と東臼杵郡椎葉(しいば)村を結ぶ国道。総延長約70km。昭和44年12月に国道に昇格。新産都市日向市の山下から塩見川沿いに西進すると,若山牧水の生誕地,同郡東郷町山陰の西方で耳川に合流する。同郡西郷村を経て椎葉に至る327号は標高1,000m級の山に囲まれ,切り立つ深い谷は山峡ルートにふさわしい。那須橋より国道265号に入り,さらに約6km西進すると,隠田集落,ひえつき節,寝殿造りの鶴富屋敷,日本最初のアーチ式ダムで知られる椎葉の中心地,上椎葉に達する。この国道は,奥日向路の愛称で親しまれている。 国道388号 延岡市と大分県佐伯市を結ぶ国道。総延長約122km。うち県内分は東臼杵郡北浦町三川内の市尾内から延岡市間の約49km。昭和49年11月に国道に昇格。佐伯市を起点に,リアス式海岸で知られる日豊海岸国定公園を南下し,蒲江町(大分県)・北浦町古江を経て,中原で国道10号に合流し延岡市に至る。延岡~北浦町古江間の山間部は急勾配と急カーブが多く,陸路より海路のほうが便利であった。路線の取り替え改良が進み,ロードパークとして,宮崎・大分両県の今後の観光開発への期待は大きい。 国道446号 日向市と熊本県湯前町を結ぶ国道。総延長約87km。うち県内分は,東臼杵郡東郷町山陰から同郡椎葉村大河内の小畑までの約69kmである。昭和56年4月に国道に昇格。国道327号と重用して日向市を起点に塩見川沿いを西進し,若山牧水の生誕地,東郷町山陰の西方で327号と分岐。同郡南郷村神門(みかど)を経て,児湯郡西米良村横野の大河内で国道265号と合流。3.5km北進して265号と分岐。宮崎・熊本の県境湯山峠を下ると終点湯前町に達する。大河内~尾崎間は急勾配・急カーブの連続で,路線の改良が進行中である。神門~日向市間を除けば1日の交通量は少ない。 国道447号 えびの市と鹿児島県出水市を結ぶ国道。総延長54km。うち県内分は,えびの市内,向江の京町から内竪の西ノ野までの12kmである。昭和56年4月に国道に昇格。えびの市京町を起点に,矢岳高原を越え鹿児島県大口市を経て,出水市に達する。路線の大半は鹿児島県に属する。矢岳高原県立自然公園から霧島連山を望む眺望は絶景である。




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「角川日本地名大辞典」
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