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塩見川
【しおみがわ】


日向市の中心部を貫流する2級河川。全長12.3kmの小河川で,富高川など3支流をもつ。源流域は市街地西方の山地であるが,中流域からは遠見山断層に沿って東流する。塩見地区あたりから沖積地を形成するが,下流域でいっそう拡大する。日向市の中心街はこの沖積地上に発達したものである。海岸に並ぶ米ノ山・櫛ノ山・牧山は,古い地質時代には山が沈水した島であったが,塩見川の沖積作用で陸繋島となり,ついに現状のような完全に地続きの山地となったものである。河口近くの伊勢ケ浜は古くからの景勝地で,ここを中心に一帯の公園化が進められている。いまはあまり捕れなくなったがこの河口一帯はハマグリの名産地でもある。塩見川が吐き出す淡水で塩分が薄められ,ハマグリの生育にころあいの条件をつくったもので,「日向地誌」にも「蛤七千二百殻」の記録が見える。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7235129