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新軍谷トンネル
【しんいくさだにとんねる】


西諸県(にしもろかた)郡須木村にある国道265号のトンネル。国道265号は小林市と須木村を結ぶ幹線である。小林側坑口は須木村奈佐木字払谷(はらいだに),須木側は同村下田字麓(通称上原(うえのはる))に位置する。全長1,087m・幅員7.5m・高さ4.5m。坑口標高は小林側418.5m,須木側428.6m,トンネル内最高点が430.7m,小林側坑口から最高点まで2.0%の上り勾配,最高点から須木側坑口までは0.4%の下り勾配となっている。須木側の勾配が小さいのは,路面下にある地下水の流路(毎分120ℓ程度)となっている破砕帯を避けるためである。照明灯・非常警報装置・消火器を備える。昭和44年12月着工,同47年3月竣工。取付け道路はこれより早く昭和42年度に着手した。この道路改築工事により,須木村奈佐木とトンネルを越えた同村の新町とは,距離にして6.6kmから4.8kmに短縮された。時間的には小林~須木間が,路線バスで1時間15分から45分,乗用車が50分から30分に短縮された。この新道は,旧道とは位置を異にし東にややずれているが,旧道に,新トンネルより高い所を抜ける軍谷トンネルがある。全長190.3m,竣工昭和30年2月,奈佐木と軍谷地区を結ぶ。さらに軍谷トンネル開通前の道路は,軍谷峠(標高587m)越えの山道であった。新軍谷トンネル開通前の昭和46年の交通量は803台,開通後の同49年には1,250台になり,同58年で2,204台と大きな伸びをみせている。峠越えの時代の須木村には,木材業者所有のトラック20台ほどのほかは乗用車が1台もなかったという。隔絶性の強かった須木村も,この新軍谷トンネルの開通で,他地域との新たな人的・物的交流を深めつつある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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