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高千穂線
【たかちほせん】


日本国有鉄道線区名称。延岡駅(延岡市)と高千穂駅(高千穂町)を結ぶローカル線。五ケ瀬川に沿って走る。全長50.1km。駅数19(接続駅を含む)。うち無人駅が15駅あり,国鉄職員がいるのが延岡・川水流(北方町)・日ノ影(日之影町)の3駅で,高千穂駅は民間委託。昭和10年2月20日,延岡~日向岡元(延岡市)間11.6kmが日ノ影線として開業。その後,昭和11年川水流,翌年槙峰(日之影町)まで区間延長。昭和14年10月11日,日ノ影(日之影町)まで開通。以後33年間,日ノ影線(37.6km)として営業。昭和41年1月から延長工事が開始されたが,急勾配とトンネルの難工事のため6年半の歳月を要す。昭和47年7月22日,高千穂までの営業が開始,観光路線として脚光を浴びる。同時に高千穂線と改称。昭和48年12月,高千穂~高森(熊本県)間23kmの工事に着工。建設当初からの夢である九州横断路線開通の期待がもたれたが,高森トンネルの出水事故と赤字線廃止の方針により,昭和55年工事中止。昭和49年3月30日,貨物営業廃止と同時に延岡~日ノ影間の貨物列車も廃止され無煙化達成。昭和57年11月,国の特定地方交通線第2次廃止対象区に指定される。昭和60年3月までに廃止したい意向であったが,沿線市町をはじめとする乗車運動の結果,当分の間存続の見込み。営業係数(100円の収入を得るために要する経費)604。延岡駅から2番目の駅である行縢(むかばき)(延岡市)は全国でも指折りの難読駅名。日ノ影駅は町名の日之影と字が異なるが,町名が後年「ノ」から「の」,さらに「之」に変わったことによる。深角(日之影町)~天岩戸(あまのいわと)(高千穂町)間の高千穂鉄橋は,川床からレール面までの高さが105mで日本最高である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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