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入下
【にゅうした】


旧国名:日向

五十鈴(いすず)川上流,駒瀬山西麓に位置する。標高100~200mの起伏の多い丘陵地帯で,山林・原野が多く,耕地は僅少である。南東方に屹立する「さるまつこ」(轟山)は,標高わずか595mながら四方の展望が良く開けており,小瀑布と渓谷美の土々呂内谷と合わせて,四季の行楽を兼ねた登山客が増加しつつあり,北郷村の観光地になっている。地内の数か所から石鏃などの石器が出土する。字椿原の天神山は,古くから古墳と言い伝えられている丘陵で,相当大型の前方後円墳であろうといわれているが,地形の変化があり,まだ学問的調査がなされていない。字堂の越の高台に入下城跡がある。入下城主入下弥四郎の居城跡で,現在も石垣の跡が残り,また城川の付近に何々屋敷という地名がいくつもあり,七屋敷と呼ばれる。字堂の越には「堂の越井手」という井堰がある。これは,享禄元年黒木村の松尾城にいた築野民部小輔が当地内椿原に隠居城を構えた際に掘らせた用水路と伝え,その隠居所跡は現在の城川と呼ばれる地で,七屋敷の1つになっている(北郷村史)。天正18年の「竿前御改書上帳写」(矢津田文書)に,「一,高八拾七石弐斗三升九合 入下」とあるのが,地名の初見。
入下村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
入下(近代)】 明治22年~現在の北郷村の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7235718