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豊後街道
【ぶんごかいどう】


宮崎市から広瀬(佐土原(さどわら)町)―高鍋―富高(日向市)―延岡を経て大分県に向かう街道。ほぼ現在の国道10号に一致する。藩政期には日向の各藩はもとより,鹿児島藩も参勤交代の道としてその一部を利用した。宮崎から延岡までは,ほとんどが平坦な道であったが,美々津から富高に至る部分は,この街道の難所であった。ここは明治以降の道路改修の際にも難工事の区間として今に語り継がれている。一ツ瀬川や小丸川をはじめ日向灘に注ぐ大小多くの川と交差するのもこの街道の特徴の1つで,渡し船による渡河がふつうで,特に藩政期には橋らしい橋はなかったようである。現在この街道のほとんどは国道として整備が進み,往時の姿をとどめている所は極まれで,新富町の追分付近や東臼杵(ひがしうすき)郡門川町加草地区にわずかに面影をしのぶことのできる区間がある。延岡から豊後境までは,現国道が北川沿いに北上するのに対して,豊後街道は祝子(ほうり)川沿いに北上する。そして番所の設けられていた同郡北川町八戸(やと)から北に向かい豊後入りするコースであった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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